最低賃金

都道府県別最低賃金を見れば分かるように、青森県最低賃金(最賃)は時給608円である。この給料で生活できるかという実験が行われているという。テレビ番組の「1万円生活」企画のような実験であるが、実験の目的がよく分からない。
人間らしい生活を送りたいならば、正規労働者か譲っても派遣・請負労働者としてフルタイムで働かなければならないだろう。住居費を加算してしまったら、最低賃金で生活できないのはどの都道府県でも同じことではないか。最低賃金は生活保障賃金ではないということだろう。もちろん、青森県労働市場が厳しいことを否定するものではないが。
毎日新聞Yahoo!ニュース)2006年6月27日記事の最低賃金:人は時給608円で生きられるか 県労連4人が“実験” /青森より

 県労働組合総連合(苫米地宣広議長)は今月1日から、時給608円という全国最低の最低賃金で本当に生活できるのかを調べるため、専従職員4人による1カ月間の「最低賃金生活体験」を行っている。このほどまとまった中間結果(19日現在)によると、食事を冷や麦やカップめんなどで我慢し、食費を極限まで削らないと生きていけない厳しい現実が浮き彫りになった。
 05年度の都道府県別の最低賃金を見ると、青森は岩手、秋田、沖縄など7県と並んで最低額の608円。最高額の東京都の714円、神奈川県の712円とは100円以上も差が開いている。
 最低賃金の引き上げを目指している県労連は「最低賃金では人間らしい生活は送れない」との主張を実証しようと、1日から30日までの「生活体験」に踏み切った。1カ月の生活費は、時給608円で22日間(1日8時間)勤務したと想定して計算。賃金10万7008円、手取り額9万4227円とした。住居費は青森市の標準生計費を基に、一律2万1820円に設定した。
 ◇1カ月もたずギブアップ
 中間結果によると、40代の男性は、食事の回数を減らして空腹をコーヒーでごまかしながらも、19日までの食費は2万1796円にのぼった。残額は3万8351円。「ストレスが蓄積していく。これは最低賃金体験ではなく人体実験だ」と感想を漏らした。
 20代男性の主食は、特売で買った冷や麦。飲み物はペットボトルに水を入れ、ジュース替わりにしているという。一方、30代女性は残額が既に4504円。家族と同居しているため食費を極端に削れず、「まだ携帯電話代を引いておらず、車のガソリンもなくなってきた」とほとんどギブアップ状態だ。
 県労連は「最低賃金では、最低限の生活すら送ることはできない」と最低最賃の引き上げを求めている。