ディズニー・アート展

ディズニ・アート

ディズニー・アート展東京都現代美術館で開催されています(2006年9月24日まで。地方巡回なし)。東京出張のついでに出掛けてきました。結論から言うと、あまりの美しさに驚きました。久しぶりに背筋がゾクゾクするほど感動しました。
1960年に日本を巡回したディズニー展の展示作品が、2005年冬になって千葉大学で再発見されました。この奇跡がディズニー本社を動かし門外不出の所蔵作品を持ち出すことが許可され、千葉大学所蔵品と合わせて展示することになったのです。
展示作品を1950年代のものまでに留めているのが良かった。「眠れる森の美女」「わんわん物語」「バンビ」「ダンボ」・・・ディズニー・クラシックスは全く色褪せていない。あまりに丁寧に作品が作られていたことにひたすら感動します。
展示作品の大きなジャンルに、コンセプト・アートとストーリースケッチ。コンセプト・アートとは、映画全体のスタイルやトーンを決めるために描かれるイメージ画。参加アーティストが本当に自由に描きます。これを参加者全員で突き合わせて、徹底的に議論し統一的なスタイルを決めるそうです。ストーリースケッチは、ストーリーを視覚化し場面を決定するためのスケッチ。絵コンテの前段階のようなものでしょうか。
私が感動したのは「バンビ」の可愛らしさ。目がクリクリッとしてメロメロになりました。思えば手塚治虫先生の描く動物たちは、これらのディズニー作品の影響を大きく受けているのだなぁと改めて感じました。
やはり感動を覚えるのは、アイヴァンド・アール氏の背景画。ディテールの繊細さと全体の配色や構成に全く違和感がなく絶句です。部分と全体を調和させるというのは、簡単なことではありません。不可能を可能にした絵という印象です。
ディズニーには「ナインオールドメン(Nine Old Men)」と呼ばれる伝説のアニメーター9名がいるそうです。一人一人の作品を紹介しながら解説してくれているので、とても分かりやすかったです。
私自身はディズニーに特別な思い入れはなく、今回の展覧会も「現代美術館が好き」という理由で出掛けたのでした。期待していなかったにも関わらず、あまりの迫力に圧倒されてしまいました。ディズニーファンだったら卒倒する展示だと思います。