青森の県内総生産
2006年12月4日、青森県の2004年度の県内総生産(GDPに相当)が発表された。
東奥日報2006年12月5日記事の県民経済計算、全国との差が拡大より
県が四日に発表した二〇〇四年度の県民経済計算によると、県内総生産は、物価変動分などを調整した実質額で四兆四千六百三億円、経済成長率はマイナス1.2%で、二年ぶりのマイナス成長となった。
国全体の〇四年度実質成長率は2.2%と、〇二年から続く回復基調を維持。国の景気拡大が今年十一月で戦後最長記録を更新する「いざなぎ超え」の中、本県では建設業や卸・小売業などの不調により〇四年段階で既に再びマイナス成長に転じていたことが裏付けられ、国の景気水準との乖離(かいり)拡大が明らかになった。
物価調整前の名目の県内総生産は四兆三千四億円、成長率はマイナス1.3%で四年連続のマイナスだった。
産業別では、一次産業がリンゴ、ホタテの産出量が大幅に増加したことなどにより、総生産は前年度比23.2%増の二千百六十八億円となった。
一方、二次産業は製造業が比較的好調だったものの、建設業が設備投資の伸び悩みなどで大幅に減少し、全体の総生産は7.3%減の八千八十三億円。三次産業も、サービス業は増加したが、卸売・小売業、金融・保険業、運輸・通信業などで減少し、総生産は1.3%減の三兆四千六百九億円だった。
記事では、県内総生産から青森県の経済成長率を計算し、全国平均の経済成長率と比較している。
1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | |
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全国 | 0.4 | 2.8 | -0.5 | 1.2 | 2.6 | 2.2 |
青森 | 1.1 | 2.5 | -1.9 | -0.7 | 0.1 | -1.2 |
青森県では人口が減少に転じているために、名目で見た県内総生産が低下し始めている可能性がある。そこで、人口推計を用いて人口成長率を計算し、「1人あたり県内総生産の成長率」(=県内総生産の成長率−人口成長率)を大まかに計算してみた。
1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | |
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全国 | 0.2 | 2.5 | -0.6 | 1.1 | 2.5 | 2.1 |
青森 | 1.2 | 2.6 | -1.6 | -0.2 | 0.8 | -0.2 |
残念ながら、1人あたり県内総生産で見ても、青森県の経済はあまり活発とは言えないようだ。これは厳しい現状である。青森県の経済を活性化するにはどうすれば良いだろうか。この問題はいずれ記事を改めて考察したい。