青森のアイヌ語地名

アイヌ語圏だった地域

青森の地名にはアイヌ語に由来するものが多く見られるといいます。このページを見ると、1800年頃にアイヌ語の話されていた地域には、サハリン(樺太)南部、クリール諸島(千島列島)、北海道、そして本州北端部がありました。
樺太やクリール列島では、明治期以降のロシアと日本との勢力争いによる移住でアイヌ語は話されなくなりました。その一方で、青森県には昭和30年頃までアイヌ語話者がいたそうです。 現在では、北海道でも流暢に話せる人はごくわずかとなりました。
青森県にもアイヌ語を話せる人がいたというのも驚きですが、そういう歴史的経緯を持つ土地なので、地名にもアイヌ語由来のものが多く残されているとしても不思議ではありません。
今回は、青森市内にあるアイヌ語由来の地名と言われているものを紹介します。以下はすべて「郷土誌うとう」89号(1983年)の「青森県平内町と青森市アイヌ語系地名の研究」(山田秀三)による仮説です。
浅虫(あさむし) アサム(奥の)・ウシ(川)
野内(のない) ヌプ(野原の)・ナイ(川)
原別(はらべつ) パラ(広い)・ペッ(川)
横内(よこうち) ヨコ(ねらう)・ウシ(いつもする処) (=弓矢・槍で狙う場所)
入内(にゅうない) ニ・オ・イ(木がゴチャゴチャあるもの) (=川の流れがゆるやかで木が集まっている場所)
三内(さんない) サン(浜の方へ出る)・ナイ(川)
この他にも、奥内(おくない)、内摩部(うちまっぺ)などアイヌ語由来の地名は他にも見つけられるそうです。

大昔、和人といわれる私たちが入る前は、青森の地においてもアイヌ民族が自然とともに暮らしていました。そんな遠い昔に思いを馳せてしまいます。

参考:http://ramat.ram.ne.jp/ainu/index_j.htm