国立ロシア美術館展

ウリヤナ・スミルノワの肖像 (C)The

「国立ロシア美術館展」東京都美術館で開催されています(2007年7月8日まで、地方巡回あり)。東京に訪れた折に観覧してきました。
19世紀のロシア美術を中心に展示されています。19世紀のロシアと言えば、文学ではトルストイドストエフスキー、音楽ではチャイコフスキーなど極めて著名な人々が知られていますが、この時代の絵画芸術はあまり知られていません。この時代の芸術を知る上で、興味深い展示となっています。
19世紀のロシア美術は一言で言えば、リアリズム。写実的で見ごたえのある絵画が多いのが特徴です。いわゆる「写真のような絵」が多いのですが、本当に写真と見まごうばかりの筆致で驚きの連続です。特に、イヴァン・シーシキンの「冬」(1890年)の雪の様子は、リアルな雪そのものです。
ロシア美術が美しいのは、衣装の色彩の美しさにもあると思います。衣装がとてもカラフルで、ロシア人の色彩感覚の豊かさを垣間見ることができます。アレクセイ・コルズヒンの「結婚前夜の祝い」(1889年)を見れば、衣装の美しさを理解できると思います。
展示作品数が多い(約100点)ので、相当見ごたえのある展示になっています。なお、見に行けない方も、コチラで展示作品のすべてを見ることができます。ここまで公開してくれるのは珍しいですね。
写真はカルル・ブリュローフの「ウリヤナ・スミルノワの肖像」1830年代後期)
(C)The State Russian Museum 2007-2008