津軽弁

りんご

青森に赴任して一番苦労したのが「津軽弁」。いまだ高速の津軽弁は聞き取れないのですが、普通のスピードであれば大丈夫です。
他地方のお客さんから要望が多いのが「生の津軽弁が聞きたい」というもの。「津軽弁」は大人気です。やむを得ずローカルな食堂などに連れて行ったりしますが、いまだ妙案が浮かばず・・・いいアイデアありますか?
青森に赴任した頃は、こちらの「津軽語」のページのうち、津軽の言葉・津軽語の発音」でよく発音を確認しました。
津軽弁の特徴はやはり濁音でしょうか。「行く」が「行ぐ」になったり、「ウケる」が「ウゲる」になったりします。地元の方に伺うとあまり意識せずに濁音になっているようで、「ほとんど」が「ほどんと」に変わっても違和感がないようです。とても不思議。
津軽弁が難しく聞こえるのは、(1)母音の発音に特徴があり、(2)鼻にかかる子音が多いからだと思います。母音について最も特徴があるのは「い」の発音。「い」が「うぃ」に聞こえます。「う」の口で「い」と発音するところは、ロシア語の「ы」(口を「ウ」にした状態で「イ」と発音)に似ています(厳密に言うと、「ウ」の口の形が異なる)。
子音については、「k」「m」「n」のいずれも鼻にかかります。フランス語は鼻濁音が多いのですが、津軽弁を話す人には発音が容易だと聞きます。生前の淡谷のり子さんもテレビでそう仰っていました。
したがって、「i」と「k、m、n」が絡むと、いかにも津軽弁らしい発音が現れます。聞いてみましょう→「い」「き」「み」「に」
津軽弁初心者がまずぶつかるのが、数字の発音。「1,2,3,...」を聞いて下さい。基本的にすべて訛(なま)ってます。特に「1」「8」は「いつ」「はつ」に聞こえます。このような数字の発音や、特徴のある「20円、50円、100円」の発音により、買い物に行く時に結構苦労しますね。
 
よく耳にする津軽弁としては、
「〜さ」:〜に。津軽に限らず広く東北で使われる。
「〜はんで」:〜なので。大阪弁の「〜さかい」と同じ。
「め」:美味しい。「めじゃー」とも言う。
「まいね」:ダメ。
「〜だっきゃ」:〜だよね。「んだ」で返すのが津軽流。
「〜べや」:〜でしょう(同意を求める)。微妙なニュアンスはいまだ分からず(笑)
 
個人的に好きな津軽弁
「けやぐ」:友達、仲間。(「契約」から来た言葉)
「あずましい」:心地よい、快適だ
「あどはだり」:(お代わりなどが)もうないのに、ねだる。 morizo-さんに教えていただきました。なかなか高度な意味です(笑)
 
先日のオフで津軽弁の達人でもあるジャミンさんに教えてもらったのが次の言葉。
「あだる」:脳溢血、脳卒中になる。
「まぎ」:一族、系統。
これを組み合わせて
「あだりまぎ」:脳溢血、脳卒中になりやすい系統、一族。
「がんまぎ」:ガンになりやすい系統、一族。
なんて表現もあるそうです。
「あだりまぎ」なんて共通語で表現しようとすると結構面倒ですよ。便利ですね〜津軽弁