弘前・三忠食堂の津軽そば

弘前公園の「さくらまつり」には、いくつかの「定番」があります。例えば、「ジャンボおでん」という名前の真っ黒い巨大なコンニャク。ちなみに、こちらを提供しているのは「くどう勝商店」(どこかの有名人の名前みたい・・・笑)。この他に、「三忠食堂」の看板、お化け屋敷、オートバイサーカスも「定番」となっています。
そんな定番の中から「三忠食堂」を紹介したいと思います。

歴史を感じる独特の看板が目印です。いつ頃から使っている看板なのでしょう。
「三忠食堂」と言えば「津軽そば」が有名です。「美味しんぼ」100巻の巻頭を飾る話の中に、「三忠食堂」の「津軽そば」が出てきます。まるごと青森さんが詳しい記事を掲載されています。
まるごと青森さんと「美味しんぼ」の記事を引用する形で、こちらの「津軽そば」を紹介します。作る手順は次の通り。
(1) そば粉に熱湯を入れて「そばがき」を作る。
(2) この「そばがき」を冷水に浸けながら一晩寝かせる。
(3) そば粉と大豆粉を混ぜ合わせ、これを寝かせた「そばがき」に練り込む。
(4) 十分に練った生地を機械にかけて延ばし、製麺する。
(5) 製麺したものをさらに一晩熟成させる。
(6) 十分なお湯で茹でる。
(7) 「三忠食堂」の場合、これをさらに寝かせて、独特の食感の「煮置きの津軽そば」にする。
江戸前のそばが「挽き立て 打ち立て 茹で立て」を美味しい条件としているのに対し、津軽そばは「前の日に打って、翌朝茹でて、食べるのは午後過ぎ」なのである。
そばつゆは焼き干しと昆布で取った出汁に醤油を加えたもの。若干しょっぱめであるが、出汁そのものにはクセがなく美味しい。津軽そばは温かいつゆで食べる「かけそば」のみ。

津軽そばは、程好いコシがあってシャンとしているのに、噛むと簡単にプツッと切れる。舌触りも喉越しも滑らかで心地よい。そばを食べ進むと、プツプツに切れたそばがどんぶりの中に溜まるが、それをすくって食べるのもまた一興。そばにはネギ、小さなナルト、海苔がほんの少しかけられているだけで、極めてシンプルであるが、なかなか面白い味わいのそばである。
 
三忠食堂 「弘前さくらまつり」限定営業
4月下旬から5月初旬
弘前城北門(亀甲門)近く
 
(参考)
三忠食堂 本店
青森県弘前市和徳町164
0172-32-0831
11:00〜19:00
日曜休