ラ・ボスコの華麗なるランチ


青森市松原にあるフランス料理店「ラ・ボスコ」に先日お邪魔してきました。すっきりとした外観もオシャレですが、白とブラウンを基調とした店内がまた一段と美しい。光あふれるテーブルで優雅なランチはいかがでしょうか。
 

店内に入ると右手に奥行きのある作りになっていて、窓からは明るい光が差し込みます。レースのカーテンに遮られて、柔らかな光に包まれます。オープンスタイルの厨房になっているので、手際の良いシェフの所作を眺めつつ、料理を待つこともできます。完全にオープンなスタイルを選択したシェフの自信に期待が高まります。
「Bランチ」(1,680円)を選択しました。以下、レビューが長くなりましたが、どうぞお付き合い下さい。

前菜はニシンのマリネ。ベビーリーフの上に短冊の形に切られたマリネ。マリネには細く刻まれたセロリが添えられます。緑のズッキーニ、黄と赤のパプリカを細かいダイスに切って散らし、ムラサキイモから作った紫色のソースが円を描きます。何と素晴らしい色彩感覚でしょうか。
あまり見かけない紫色のソースが、何とも言えない優雅さを漂わせます。料理に手を付けるのがもったいないと感じるほど、完成されています。ニシンのマリネは優しい味わい。ニシンが持つ独特の風味が美しい音色を奏でます。

続いて、ニンジンのポタージュがやってきました。ニンジンの独特な甘味と風味が見事に引き出されています。口に運んだ時にスッと香るニンジンの風味、程良く感じる喉越しが興味深い一品でした。添えられたクルトンを沈め、カリッとした食感とともにスープをさらに楽しみます。何とも春らしい装いのスープだと思いませんか。
 


 
 
 
 
 
 
 
程好く温められたパンがやってきました。麦芽が練りこまれて絶妙な甘味を感じる美味しいパンでした。美味しいレストランは、間違いなくパンが美味しいですね。
オリジナルドレッシングのサラダは問題なく美味しいです。
 

いよいよメインプレートの登場です。白くて四角いプレートの四方に、珠玉の料理が一つ一つ盛り付けられています。

右手前はホロホロ鳥を使ったお饅頭のような料理(正式な名称が分からずスミマセン)。トマトを使った赤いソースの上に、黄色くて丸い様子はとても引き立ちます。ナイフで切るとお饅頭のように餡が詰めてあります。トマトの酸味と餡の甘味が美味しいです。

左手前は牛肉の一口サイズのステーキ。牛肉の旨みが十分堪能できます。皿の上で絵を描くようなバルサミコソースを付けると、絶妙な酸味が加味されて一段と奥行きが増します。感動するのは付け合せの野菜。とても小さい付け合せ(ニンジン、ブロッコリー、ムラサキイモ、ブナシメジ)なのに一つ一つきちんと仕事が施されています。どこにも手抜きがなくて驚きます。クレソンの盛付けが見事です。

最も感動したのが、右手奥に盛り付けられたムース。真っ白いお豆腐のようなムースの上に、海老が乗って鮮やかなオレンジ色のソースがかけられています。フランス料理にお豆腐?なんて思ってしまいますが、こちらはヒラメとタラバガニを使ったムースとなっています。素材の旨みだけを残して、形は完全にムースに昇華されています。あまり適切な言い方ではないですが、お豆腐のような食感なのにビックリするような旨みが込められています。
ムースには香り付けにサクラを入れて、季節感を出しているそうです。オレンジ色のソースはウニの旨みが生きています。ムースとの相性は筆舌に尽くしがたいものがあります。淡いグリーンのソースが円を描いて美しい絵を見るようです。シェフの細やかな心遣いを感じる見事な一品。

左手奥には可愛らしいピクルス。味わいも彩りも素晴らしい。
 
 
 
 
 

メインのプレートの豪華さ壮麗さの余韻に浸っていると、デザートが現れました。いくつかの選択肢からバナナのタルトを選びました。バナナの甘味、柔らかくて甘いタルトが堪りません。添えられたカシスのアイスが絶品です。三色のソースがデザートを美しく盛り上げます。
料理の美味しさもさることながら、色彩感覚の豊富さ、細部にまで手を抜かない仕事の丁寧さに、ひたすら脱帽でした。優雅で華麗なるランチを頂き、本当に素晴らしい時間を過ごすことができました。ありがとうございます。
 
La' Bosco(ラ・ボスコ)
青森市松原2-15-34
017-777-8389
11:00〜15:00
17:00〜21:00
水曜休