野辺地・華麗なる盛り「舟宿」


青森県野辺地町に「華麗なる盛り」で有名な「舟宿(ふなやど)」という店がある。いとぴん夫婦さんの記事を拝見し、てんこ盛りのカレーライスが無性に食べたくなった。一度でいいから食べても食べても減らないカレーを食べてみたい。よせばいいのに、体調不良を圧して「舟宿」に突撃してみた・・・。
「舟宿」は青い陸奥湾に面した大きな飲食店だ。扉が開けると大きなテーブル席がいくつもあり、大きな窓からは陸奥湾が眺められる。店内は常時「石原裕次郎」が流れている。
メニューだけを見たら、ごく平凡な喫茶店というイメージ。本当に「華麗なる盛り」は見られるのであろうか・・・。メニューを開くが早いか「カレーライス」(600円)を注文する。

しばし待つと「カレーライス」がやってきた。噂通りの「華麗なる盛り」で・・・。比較物がないと大きさが分かりにくいので、そばにあった「一味唐辛子」を横に置いて撮影する(でも分かりにくい・・・)。分量的には恐らく通常の2人前以上。左手にうずたかくライスが盛られているが、右手のカレールーの底にもライスはしっかり盛られている。山高ければ谷深し。カレールーの海は広大である。
さて、どう攻めたものか・・・。考えるよりもまずスプーンを動かそう。カレーのお味はいわゆる大衆食堂系であるが、大きく切られた少し厚めの豚肉がゴロゴロ転がっていて豪快だ。米どころ青森ということで、ライスが美味しい。
半分くらい食べたところで、福神漬がなくなってしまった。福神漬が好きな者としては補給路を絶たれた気分。一気に食べるペースが遅くなった。
あおもり くどうさんいとぴんさんも陥ったという境地に我も到達せり。

大きく溜め息をつくと、石原裕次郎の音楽を聴きながら、海を見て黄昏れる・・・。気分は「錆びたナイフ」といったところか・・・(←MIDI♪が流れます。音量注意)。

砂山の砂を 指で掘ってたら まっ赤に錆びた ジャックナイフが 出て来たよ どこのどいつが 埋(うず)めたか 胸にじんとくる 小島の秋だ

ふと見上げると、物憂げな漁師を描いた油絵が一枚・・・。

漁師の絵を眺めながら、石原裕次郎を聞いていると、言い知れぬ切なさが込み上げてくる(是非皆さんも先程紹介した音楽を聞きながら、この絵を見て下さい)。この「舟宿ワールド」は相当気に入ってしまった・・・。
単調になったカレーをどうするか。懐かしの「カレーにソース」を試しにやってみた。懐かしい味わいにしばし食も進むが、やがて座礁の予感に襲われる。醤油をかけたり、一味をかけたり・・・結局そのまま食べるのが一番美味しいのであるが、無駄な抵抗を試みたものだ。
残念ながら、撃沈・・・。5分の1程度が残ってしまった。お店の方、申し訳ありませんでした。次回は体調を整えて来店させて頂きます。
 
舟宿   Sea House
青森県上北郡野辺地町干草橋67-7
0175-64-2987
11:00〜21:00 (20:30 LO)
第2・4・5土曜休