大観堂書店閉店

寺山修司が青森での思い出として挙げていた「大観堂書店」が閉店してしまった。創業95年の老舗書店だっただけに、大変残念な話である。

人は誰でも、書くと感傷的になる時か所を持っている。私にとって、それはどうやら『青森』のようである。大観堂での本の立ち読み。東京庵の青い色をした天ぷらソバ、小田九の塩っからいラーメン、北谷書店の上にはじめてできた喫茶店。(「エリア青森」1965年版掲載「青森と私」より)

寺山修司ゆかりの場所がまた一つ消えた。
東奥日報記事(2008/05/01)の大観堂書店が閉店/青森より

 青森市堤町の創業九十五年になる書店「大観堂」(鈴木康文社長)が、四月二十八日で閉店した。商店街の“地盤沈下”や大手書店チェーン進出などが影響した。「家族四人での営業努力も限界で、精根尽きた。時代の流れには勝てなかった」と、三代目の鈴木社長(58)。長く市民に親しまれた老舗がまた一つ、惜しまれつつ消えた。

時間をかけて寺山修司の足跡をたどってみたかったが、一足遅かったようである。大変残念でならない。出版不況が叫ばれる中、書店の経営は一段と厳しくなっている。これも時代の波なのであろうか。