書と俳句と写真で楽しむ青森

「歳時記」というものをご存知ですか。「1年のおりおりの自然・人事などを記した書物」という意味もありますが、今回話題にしたいのは「俳句の季語を集めて分類・整理し、解説や例句を載せた書物」の方です。
私の趣味の一つに「歳時記」を眺めることがあります。俳句を作るわけでもなく、眺めるだけです。こういう言葉が季語になるという驚きもあります。わずか17音に込める季節への想い。季節を感じることの素晴らしさ。四季をうたうことの面白さは以前から興味がありましたが、青森に来てその関心はさらに高くなりました。
青森は四季がはっきりした土地柄です。冬は寒く厳しく、夏は短いながらも暑さが厳しいこともあります。春は百花繚乱*1、秋は美しき紅葉。青森の日常を撮影しているだけで、自然に「歳時記」が出来上がります。
そんな折、紋次郎さんの「紋次郎の放浪日記」において、俳句を投稿すれば書にしたためて頂けるという話があり、思い切って投稿してみました。嬉しいことに、すぐに書にしたためて頂くことができました。紋次郎さん、本当にありがとうございます。
紋次郎さんの書の美しさは言うに及ばずですが、私が作った俳句は見よう見まねで作った駄作です。気持ちだけでも伝わればと思い、記事にしたいと思います。
 

七戸の躑躅ツツジ)を見て




「車椅子 押す手を止める 躑躅かな」
七戸の躑躅を見に行った時、車椅子に乗って見に来られるお年寄りの方がたくさんいらっしゃいました。介護の若い女性が車椅子を押す手を止めて、躑躅がきれいですねとお年寄りと談笑する姿が印象的でした。老いと若さ。小さな車椅子と大きな躑躅の山。対照的な様子が特に心に残りました。車椅子の車輪がふと止まるという動と静も表現してみたかった点です。(写真にも車椅子の方が写っていますが、必ずしも題材の方とは限りません。)
季語:躑躅(つつじ) 春

ベンセ湿原の花菖蒲(ハナショウブ)を見て



「騒がしき 世を離れたし 花菖蒲」
凄惨な通り魔事件を耳にして、とても現実が直視できなくなってしまい、逃げるようにベンセ湿原まで足を運びました。花菖蒲(正確にはノハナショウブですが)は世のことを知らぬかのように美しく咲いていました。
季語:花菖蒲(はなしょうぶ) 夏

*1:ひゃっかりょうらん。いろいろの花が咲き乱れること。