小牧野遺跡・再訪

国指定史跡にもなっている小牧野(こまきの)遺跡は、環状列石いわゆるストーンサークルが見られる貴重な遺跡です。約4,000年前(縄文時代後期前半)に作られたものといわれています。昨日(2008年7月13日)の昼下がり、約3年ぶりに小牧野遺跡を訪問してきました。天気の良い日曜日のお昼というのに、誰もいませんでした。
初めて訪問した時(2005年8月1日記事)、あまりに手付かずの状態、無防備のままで公開されていることに驚いたのですが、今回訪問したところ、環状列石には保存修理処置がなされ、柵で入れないようにしてありました。
3年前は自由にストーンサークルの中に入れましたし、列石の間からは雑草が生えていました。あの無防備ぶりを考えたら、かなり保存に力が入っています。

小牧野遺跡に行くためには、野沢小学校の近くから未舗装の林道を進む必要があります。鬱蒼とした森の中の細い道、しかも未舗装の道ということで、何とも心細い気持ちになります。縄文時代そのままの環状列石に会えるかと思うと、この森の道が「縄文へのタイムトンネル」のように感じ始めるから不思議なものです。縄文に会う「イニシエーション」的な行為にすら感じます。




縦石の間に数個の横石を積む、いわば石垣に似た組石は、全国的に見て珍しいもので「小牧野式組石」と呼ぶそうです。
環状列石を眺めながら、一人たたずむ。人っ子一人いない森の中で、聞こえるのは風に揺れる木々の音だけ。4,000年の時を超えて眼前に広がる環状列石は、当時そのままの姿。時を越えて邂逅(かいこう)する不思議。祭祀的な意味合いで建造されたと言われていますが、今でも何か特別なものを感じる・・・そんな気がします。
「我々はどこから来たのか 我々は何者か、我々はどこへ行くのか」。3年前に思ったことと同じことを考えてしまいました。何かスピリチュアルなものを感じる、神秘を体験する・・・縄文を感じるというのはこういうことかもしれません。
いまだ他を寄せ付けないような環境となっていますが、このままでいいような気もします。あまり大勢の人に来て欲しくない、心ある者だけが集まる空間であって欲しいと思います。
 
参考:http://www.city.aomori.aomori.jp/bunkazai/inisie/main.html