東京・スタジオジブリ・レイアウト展

先日東京を訪問した時に「スタジオジブリ・レイアウト展」東京都現代美術館、2008年9月28日まで)に出かけてきました。展示されるレイアウトは何と1,300点以上、展示の量も質も圧倒的です。
レイアウトとは、絵コンテで決められた大まかな構図をもとに、具体的にカットごとの画面を設計したもの。背景とキャラクターの位置関係、動きの指示、カメラワークの有無やそのスピード、撮影処理など、そのカットで表現される全てが描かれています。

絵コンテはコマの流れを示した映画全体の「設計図」であるのに対して、レイアウトは個々の場面(カット)の「設計図」となります。少し難しく言えば、縦軸(時間軸)の絵コンテ、横軸(空間軸)のレイアウトとなるでしょうか。
絵コンテに描かれているカットごとの絵は、作画(原画・動画)、背景、CG、仕上げなどに分担して作業が行われるので、それらを集中管理するものがレイアウトです。各作業班はレイアウトを見て作業を進めていくので、結果として統一的な作業に仕上がるという仕組みです。
展示されるレイアウトの数に差はありますが、スタジオジブリの作品すべてのレイアウトを見ることができます。最も大好きな作品である「となりのトトロ」は、展示数は少なかったものの、本物のレイアウトを見られて本当に幸せでした。短い時間の映画なので、画面構成は本当によく考えられています。


展示数が多かったのは「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「千と千尋の神隠し」でしょうか。特に「千と千尋」は、圧倒的な数のレイアウトで迫り来る勢いでした。日本人の原始的な宗教観(八百万の神、ケガレとミソギなど)、人間の根源的な罪深さ(貪欲なまでに食べる行為、環境を破壊する行為など)、いくらでも深読みできる作品で気に入っています。

レイアウト方式が初めて本格的に導入された「アルプスの少女ハイジ」(1974年、ズイヨー制作)のレイアウトも展示されていました。子供の頃に何度も見た作品なので、思わず涙がこぼれそうになりました。シンプルなアニメの素晴らしさを再認識です。
アニメーションがいかに多くの人間の作業から作成されているか、直接感じることができました。ジブリファン必見の展覧会です!
チケットは「日時指定」の入場券になっていて、「ローソンのLoppiのみ」で購入することができます。必ず事前に購入の上、美術館にお出かけください。チケットは美術館内では一切購入できませんが、美術館向かいの小さなローソンで購入することもできます(混雑するかもしれませんが)。

展覧会出口ではスタジオジブリ関連グッズが山のように売られています(クレジット利用可)。
撮影コーナーも充実しているので、是非デジカメやカメラ付きケータイをご持参下さい。
 

崖の上のポニョ」のバケツがたくさん置いてあります!
(c) 2008 二馬力・GNDHDDT
 
 
 
 
 
明後日(2008年8月5日)の夜10時からNHK総合プロフェッショナル仕事の流儀スペシャル「宮崎駿のすべて〜『ポニョ』密着300日〜」が放送されます。