島根出雲・聖地★巡礼展にて


出雲大社のすぐ隣にある島根県立古代出雲歴史博物館では、企画展「聖地★巡礼−自分探しの旅へ−」が開催されています(2008年9月15日まで)。
サンチャゴ・デ・コンポステラ(スペイン)に特に注目し、国内外の聖地を紹介しながら、聖地巡礼の意味などについて考えます。映像資料を多数交えて、サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼の様子を詳細に紹介していますが、サンチャゴ・デ・コンポステラそのものについて全く無知であったので、あまり理解できませんでした。
そんな中で目を引いたのが、「聖ヤコブの貝」と呼ばれるホタテ貝のアクセサリー。サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼者が身につけているホタテ貝です。

おみやげに買った「聖ヤコブの貝」と絵はがき。
フランスでは、ホタテ貝のことを「聖ヤコブの貝」(Coquille Saint-Jacques コキーユ・サン・ジャック)と呼びます。聖ヤコブは、イエスの最初の弟子の一人で、殉教聖人に列せられています。
ホタテ貝が聖ヤコブの象徴になった由来には諸説があります。海中へ落馬した騎士が聖ヤコブに祈り一命を取り留めたが、服にホタテ貝が付いていたという伝説、聖ヤコブが漁師の家の生まれだからという説、巡礼者がホタテ貝を食器にしたからという説などがあります。
ヤコブの埋葬地、サンチャゴ・デ・コンポステラは、10世紀になると聖ヤコブ崇拝の中心地となりました。12世紀イスラム軍の侵入によってエルサレムへの巡礼が危険になってからは、西ヨーロッパの信者にとって最も重要な巡礼地となり、「巡礼の道」の終着点として賑わったそうです。
「聖地★巡礼」展では、国内の聖地巡礼の例として四国巡礼(お遍路)と恐山が紹介されていました。恐山の説明をそのまま引用しておきます。

東北地方では「死ねば恐山」に行くという。その恐山では夏・秋の大祭時に多くの参詣者を迎え、死者の極楽往生を願う。また、イタコが死者の霊を降ろす「口寄せ」が行われ、死者の声を聞く。恐山はいわば生きながらにして死後の世界が体験できる聖地なのだ。

遠く出雲の地でも、ホタテ貝と恐山という青森コンボを見つけてしまう神業(?)に乾杯(笑)