黒石・藻川屋の焼きそば

やきそばのまち、黒石。青森の焼きそばと言えば、「黒石やきそば」が代名詞になりつつあります。黒石やきそばの一般形は、太くて平らな麺を濃い目のソースで焼き上げたもの。ラーメンのつゆと天かすで食べる「つゆやきそば」は、黒石やきそばの代表的なスタイルですが、すべてがこのスタイルと言う訳ではありません。
黒石やきそば取扱店の情報を見れば分かるとおり、黒石市内には焼きそばを扱うお店が何と62店!もあります。麺の太さもソースの甘さも焼き方もそれぞれ異なる62通りの焼きそばが、一つの街に集結しているのです。


「黒石やきそば」の名店として名高い「藻川屋」にお邪魔しました。表には大きなガラスが張ってあり、「やきそば」「たい焼」の文字が躍ります。大きなのれんをくぐって店内に入ると、大きなガラス窓から光が差し込みますが、あまり明るくありません。テーブルも椅子もレトロな雰囲気です。
「肉野菜入りやきそば」(400円)を注文しました。

腕を振るう店主は、お年を召したお爺さん。かくしゃくとした雰囲気で、颯爽とコンロに火を入れます。ゴーッという強い火の音がし始めると、静かな店内にフライパンがカランカランと鳴る音がこだまします。火が鍋を覆うほど強く炒め、じっくりソースを染み込ませるのが、藻川屋の極意といいます。
出来上がった焼きそばは、強い火力を物語るようにもうもうと湯気を上げていました。モチモチとした歯ごたえの焼きそばは、酸味が心地よいソースをたっぷり吸っています。豚肉はこんがりと焼かれて旨みを閉じ込めてあり、キャベツは程よいシャキシャキ感が気持ち良いです。昭和を感じる店内で楽しむ、食べて納得の焼きそばでした。
 
創業50年、多くの方に惜しまれつつ閉店されました(ToT)

たいやき藻川屋 (HP)
0172-52-3845
青森県黒石市甲徳兵衛町22-6
7:00〜18:00
定休日なし