十和田市現代美術館 再訪

青森県十和田市の官庁街に2008年4月開館した「十和田市現代美術館」当ブログ過去記事(2008/05/01))。単に「美術館を建てる」ということではなく、「アートによるまちづくり」の拠点として位置付けられています。今後、隣接するアート広場の整備、官庁街へのアート作品設置を通じて計画が完成します。

すっかり十和田の顔になったチェ・ジョンファの「フラワー・ホース」。
この美術館の興味深い点はいくつもありますが、最も特徴的な点は各展示室を独立に配置していること。基本的に1つの展示室には1つの作品。それぞれのアート作品がもつ世界に集中して対峙することができます。こういう展示方法を採用した現代美術館は全国的にも珍しいのではないでしょうか。

アナ・ラウラ・アラエズの「光の橋」。トンネルは脊柱を意識した身体的なものでありながら、神秘的な光によって精神的な世界も表現されています。実際歩いてみると、クイズ番組のセットみたいで面白いです。

ムキムキな肉体を誇る人形を無数に連ねて製作されたスゥ・ドーホーの「コーズ・アンド・エフェクト」。見た目の奇抜さや美しさに隠された過去と未来を繋ぐ因果応報的世界が見事です。
表現手法として親しみやすい芸術作品が多く、実際に「体験」できる作品が多いことも十和田市現代美術館の特徴です。多くの作家が実際に十和田を訪れ、この美術館のために作成したということで、どの作品も見ごたえがあります。
展示室間の狭い空間も、休憩スペースの壁も、エントランスの床もすべてアート作品。すべてがアートにつながっているという発想が貫かれているようです。
入場料は一般500円、高校生以下はナント無料という点も親しみやすくて良いですね。
 
十和田市現代美術館
青森県十和田市西二番町10-9
(官庁街通り沿い、消防署となり)
0176-20-1127
9:00〜17:00(入館は16:30まで)
月曜休館(月曜祝日の場合は、翌日休館)