八戸・沖野商店の煮卵

八戸グルメを語る際に外せないのが、「沖野商店の煮卵(煮玉子、味付たまご)」。「青森グルメ玉子」を自称しながら、なかなか出会えずにいた逸品です。
陸奥湊市場でも購入できますが、作りたてが美味しいと聞いて直接お店に出かけました。「田中天ぷら店」と同様にお店には看板はなく、「たまご屋」と書かれた小さな張り紙でお店を確認できます。

茶色に染まった煮卵は、見た目ほど味は濃くなく、あっさりと美味しい絶品の煮卵。Sサイズの卵を使用しているので、一口でツルンと食べてしまいそうな大きさです。「沖野商店の煮卵」は、夫婦二人三脚の絶妙な連係プレーで作られています。

店主は長らく漁師として船に乗ってきましたが、50歳で引退して食堂を始められたそうです。食堂を営む中で煮卵が評判となり、煮卵の専門店として再出発されたとのお話でした。

煮干と昆布の出汁に醤油を加えた鍋で卵を甘辛に煮つめますが、柔らかさは保たれています。長年の経験と勘で作られているようで、厨房に特別な仕掛けは見当たりませんでした。

奥さんの卵の皮むきの早さも芸術的です。カカンと叩いたかと思うと、ジョリジョリとリンゴの皮をむくように卵を回して、あっという間にむき終わります。その時間、1個わずか10秒以内です。鮮やかな手さばきでしたが、冬は卵の皮がむきづらいとのお話でした。

長らく1個30円で販売されていましたが、物価高騰の波には勝てず、「1個40円」になりました。出来たての煮卵はビニール袋に入れて、紙袋で包んでくれます。アツアツの煮卵を頂くのが一番美味しいですね。

「青森からこんにちは」のESEさんの記事(2009/11/05)を拝見し、「卵」と「玉子」の違いについて学ばせて頂きました。「卵」は生物学的な意味を持ち、「玉子」は調理した状態を指します。「牛」と「ビーフ」、「鶏」と「チキン」のような違いです。
以上の議論からすると、「煮卵」よりも「煮玉子」という表記が正しいように思われます。ただ、「ゆで卵」という表記が一般的であるので、「煮卵」という表記も問題がないように思われます。日本語は難しいですね。沖野商店のラベルを見れば正解だろうと思って、見てみたら「味付たまご」でした。ひらがなで書くのが無難なのでしょうか。
 

沖野商店
青森県八戸市白銀町右新井田道19-15
0178-33-5010
9:30〜16:30
(日祝 5:00〜16:30)
年中無休
 
<参考> http://marugoto.exblog.jp/2647103/(2006/02/06)