中泊・今泉賽の河原


十三湖の北東にある高台に「今泉賽の河原」があります。「賽の河原」は、幼くして亡くなった子どもが石を積み続けるという苦を受けるという、三途の川の河原。現世と来世の境界にあるとか、冥土の手前にあるといわれています。
中世以降、多くの女性たちが今は亡き子どもの冥福を祈り、罪悪感に苛(さいな)まれる自分を慰めてきた場所です。詳しくは、「日本全国賽の河原めぐり」をご覧下さい。
(本記事の写真は2009年11月撮影です。)

「しじみ亭 奈良屋」のすぐ近くにあります。着物をまとったお地蔵様の横にある細い道を登ると、「今泉賽の河原」に到着します。


広い原っぱを囲むようにして、本堂をはさんで、大きなお地蔵様と小さなお地蔵様がズラリと並んでいます。すべてのお地蔵様が帽子と着物をまとっていて、大切に供養されていることが分かります。

この賽の河原は、「日本最古のイタコ発祥地」「川倉賽の河原(川倉地蔵尊)発祥地」と言い伝えられています。毎年6月23日に例大祭が開催され、イタコの口寄せ、歌謡ショーやカラオケ大会などが行われるそうです。

今泉賽の河原は南北朝時代の大津波室町時代の戦乱で亡くなった人を供養したのが始まりで、明治初期に木造の地蔵尊が出土したことからこの地に復活したのだと伝えられています。

「今泉賽の河原」のある高台から、十三湖を望むと、言葉を選ばずに言えば、殺風景な景色が広がります。本当に何もないから、自分をゼロにリセットできる場所でもあります。
青森には、今泉賽の河原の近くに川倉賽の河原、深浦町に岩崎賽の河原、むつ市には恐山賽の河原があります。スピリチュアルなスポットがあちこちに見られるのも、青森の特徴かもしれません。