十和田・Arts Towada

「アートって楽しい!」 そんな気持ちを素直に体験できるArts Towada(アーツ・トワダ)青森県十和田市が推進する「アートによるまちづくりプロジェクト」です。中心市街地の「官庁街通り」全体を美術館に変身させました。
2010年4月24日にオープンしたアート広場を訪問してきました。十和田市現代美術館に隣接する空間に、体験型の大型アート作品が展示されています。アートをまちづくりに生かす試みは全国各地で行われていますが、ここまで一体的でかつ大規模なものは珍しいでしょう。
アート広場の作品の一部を紹介します。

インゲス・イデー(inges idee、ドイツ)/ゴースト(Ghost)

アート広場で一際目立つのが、真っ白いオバケ。
まるでパックマンのモンスターのようです。

ゴーストと言えば、本来は語るのも憚(はばか)られる恐怖の存在。ゴーストが街を襲うと聞いたら、普通は外には出られません。こちらのゴーストは、街を襲うというよりも街を漂い歩いています。突然現れた非日常を体感する意図があると思いますが、老若男女を問わず楽しめてしまう作品です。

草間彌生(Yayoi Kusama、日本)/愛はとこしえ十和田でうたう(Love Foerver Singing in Towada)


十和田市のアートプロジェクトを最も盛り上げてくれているのが、草間彌生(くさま・やよい)氏のアート作品。水玉をあちこちに散りばめる表現は、中心部商店街にも取り入れられて、街を一層盛り上げています。

カボチャも水玉で彩られています。カボチャという有機体に、水玉という無機質な幾何学模様。ストレートに嬉しさや楽しさが表現されるとともに、みなぎる躍動感からは生を受けた喜びも感じられます。
水玉カボチャは草間氏の代表的な作品の一つで、同じくアートで町おこしを進める香川県直島でもシンボル的な存在になっています。(わさおを有名にしたmerecoさんも直島を記事にされています。)
ちなみに、草間氏は現在81歳。エネルギーに溢れた作品の数々からは年齢を全く感じさせません。

エルヴィン・ヴルム(Erwin Wurm、オーストリア)/ファット・ハウス(Fat House)・ファット・カー(Fat Car)


太った家に太った車。見る者を思わず笑顔にさせるファニーな作品。現代消費文明を面白おかしく風刺しているようです。

飽食、ファーストフードの裏返しとしての肥満。現代消費文明の象徴である自動車や住宅までも肥満させることで、我々の置かれた時代を改めて問いかけます。
こういう小難しい解釈を抜きにして、素直に楽しめてしまうところも、こちらの作品の魅力です。
アートをきっかけとして、ますます人々の輪が広がりますように!