弘前・よおしょく屋


中央弘前駅の脇を流れる小川のほとりにある、小さな洋食店「よおしょく屋」。色のあせたテントにパステルカラーの板壁。ひっそりと営業されているので、知らなければ気付かないようなお店。何を隠そう、ぱこさん津軽ジェンヌさんといったグルメな方々が絶賛してやまない名店です。
扉を開けて入店すれば、オープンスタイルのキッチンがまず目に入ります。キッチンを囲むようにカウンター席、その周りを囲むようにテーブル席が並びます。ママさん一人で切り盛りされている様子なので、あまり席数は多くありません。
メニューブックには目もくれず、「ハンバーグ定食」を注文してみました。早速厨房からペタペタとハンバーグの空気を抜く音がして、ジュジュワーと焼き始める音がします。「音もごちそう」なんだなって改めて気が付きました。
厨房にかけられた大小のフライパン、食器棚に並ぶお皿やカップ、脇にはソースボート(カレールーなどを入れる魔法のランプみたいな入れ物)。ダイヤル式のピンクの電話が妙に懐かしい。時間が止まったようにノスタルジックな雰囲気に包まれています。
ゆらゆらと湯気をくゆらせながら、お待ちかねのハンバーグが登場です!

ハンバーグ定食。ご飯、味噌汁、小鉢、お新香とともに頂くハンバーグって美味しいですよね。

むっくりとして、「美味しい」をそのまま形にしたようなハンバーグ。

箸で簡単に切れてしまうほどの柔らかなハンバーグ。舌に乗せた瞬間ホロッと崩れてしまいます。きめが細かく優しい舌触りが何とも素晴らしいです。味わえば味わうほど、しみじみと奥の深いデミグラスソースにも思わず唸ります。優しさがたくさん詰まった美味しいハンバーグに、心から感動しました。

ミックスフライも絶品。お店が標榜する「手作りの味」。都会ではチェーン系レストランが席巻し、手作りの味を楽しむ機会は激減しました。手作りの素晴らしさを再認識するとともに、心まで温まるような贅沢な気持ちになりました。
お店の雰囲気そのままにゆったりとした時間が流れます。時間に追われず、ゆっくりのんびりできる人にオススメしたいと思います。窓の外に見えるは、中央弘前駅のプラットホーム。出会いと別れを象徴するようなプラットホームにも、今年も春が訪れようとしています。
 

手作りの味 よおしょく屋
青森県弘前市北川端町32
0172-35-5603
11:30〜14:00
17:00〜21:00
木曜休