日本橋人形町・ラ・フェニーチェ

数多くの青森グルメなブログで紹介されている東京・日本橋人形町の「ラ・フェニーチェ(Cucina Italiana La Fenice)」をようやく訪問することができました。まるごと青森さん(2007/12/14)、takapuさん(2008/10/10)、最近では一日一麺(onenoodle)さん(2011/02/12)の記事を見ると間違いなく悩殺されます。
青森県産の食材を知り尽くした青森県七戸町出身の鳥谷部拓彰シェフが腕を振るいます。鳥谷部シェフは、日本イタリア料理協会の実行委員にも名を連ねる重鎮。
平日のお昼ということで気軽なパスタランチも楽しめるのですが、今回はメインなしのシェフおまかせコース(2,000円)を注文してみました。前菜もパスタもドルチェもすべてシェフおまかせということで、期待半分不安半分。どのような料理を見せてもらえるのでしょうか。

コンソメスープ。コショウも効かせて、今後を期待させるスープでした。

前菜盛り合わせ。四角いプレートを9分割するように盛り付けられた前菜は、まさに豪華絢爛。「ストライクアウト」風に、一番奥左から123、中段左から456のように名付けて簡単にレビューしましょう。一番奥(123)には魚介を用いた前菜が集めてあり、左から自家製スモークサーモン、締めサバ、カキが用いられていました。
スモークサーモンは美しいオレンジ色をしていて、優しい味わいでした。6,8はパルマ産のサラーメ(サラミ)と生ハム。4,7は自家製のハム。9はイタリアンの定番・モッツァレラのカプレーゼで、バジルの香りが素晴らしかったです。

一番の注目は、7の加熱ハム。黒く細かい粒子のようなものが見える甘いオイルがかかっています。蜂蜜のような深い味わいが印象的で、ハムの旨みを如何なく堪能できました。この黒いものの正体をシェフに尋ねてビックリ、青森県産の黒ニンニクでした。黒ニンニクとオイルを合わせる独創性に舌を巻いてしまいました。

菜の花とカラスミのペペロンチーノ クレソン添え
青森県産のニンニク、菜の花、クレソンを使って、彩りも鮮やかなペペロンチーノ。ニンニクとオリーブオイルがベースとなるペペロンチーノのてっぺんに、ボイルした菜の花を乗せ、香草パン粉をたっぷりかけて仕上げてあります。青森県産のクレソンの若葉が美しく散らされて、春らしさ満点な盛り付けです。

こちらのパスタを見て最初に思い出したのが、横浜町の菜の花畑(2008年5月10日記事)。
菜の花を思わせるような黄色がまぶしいのは、カラスミのスライス。透けるほど薄くスライスされているので、窓から差し込む光を取り込んでキラキラと美しく輝きます。タラコの香りと旨みをギュッと凝縮したような深みある味わいで、思わず唸る美味しさです。
菜の花のほろりとした苦み、カラスミの芳醇な旨み、クレソンの爽やかな歯触りに、ニンニクや香草パン粉の風味が渾然一体。青森県産食材による春を主題にしたオーケストラは、春風に乗る心地を奏でます。

ドルチェ盛り合わせ。左からティラミス、パンナコッタ、ボネ(チョコレートケーキのようなお菓子)。黄色いマンゴーと赤いベリーのソースが絵を描くように、薄い板状のキャラメル、ブルーベリーのコンフィチュールやナッツを豪華に添えて。ミルキー感満点で滑らかな舌触りのパンナコッタが特に美味しかったです。


コーヒーに添えられたのは、TOSCHI社のシュガービッレ。キビが原料のブラウンシュガーで、自然な甘さが魅力的です。こういう細かいこだわりも嬉しいですね。手作りのトリュフで、大満足に締めくくります。
青森県産食材も自在に用いて、青森の風景までも演出するかのようなシェフの技術力と構想力。東京でこっそり楽しむ青森県産食材の世界でした。
 

Cucina Italiana La Fenice ラ・フェニーチェ
東京都中央区日本橋小舟町15-17 協栄ビル 1F
11:30〜14:00
18:00〜24:00
日・祝休