青森市森林博物館

青森市森林博物館

暑い夏が来ると戦争を扱うテレビ番組も増えますが、今年は戦後60年という大きな節目ということで様々な番組が放送されていますね。あまり十分に知られていない事実なのですが、青森市終戦直前の1945年7月28日に大規模な空襲(青森空襲)を受けています。市域の9割を焼失したために、青森市内には歴史的建造物がほとんど残っていません。(弘前市は空襲を受けていないために、歴史的な建物が多く残っています。)
この戦災を免れた数少ない歴史的建造物の一つを紹介します。青森市森林博物館は、明治41年(1908年)11月に旧営林局庁舎として建設された建物を利用しています。県産ヒバを用いたルネッサンス式木造建物ということで、明治の雰囲気を感じさせてくれます。営林局ということもあってか、屋根は新緑を思わせる鮮やかな緑色、壁にはパステルカラー調の淡い緑色で、なんともかわいらしい雰囲気の建物となっています。
天気のいい日に訪れると、青い空と緑に統一された建物がとてもよく似合うんです。青森駅の西側にひっそりと建っているために訪れる人も少なく、マイナースポットが好きな私にはお気に入りの場所となっています。
入場料240円を払って入館すると、森林や林業という分かっているようで分かっていないテーマについて学ぶことができます。館内には映画「八甲田山」のロケが行われた旧局長室もあります。建物の西側には津軽森林鉄道の車両が保存されていますが、入場料を払わなくても見ることができます。興味深かったのは、スキー板のコーナーに大正時代!のスキー板があったり、青森市出身の三浦敬三*1・雄一郎*2親子にまつわる展示があったことでしょうか。三浦親子の驚異的なガッツは、青森の大自然が育んだものなのでしょう。
青森県内のヒバ*3は良質なのですが、外国産木材に押されてあまり売れていないと聞きます。しかも戦後に植林したヒバが伐採すべき時期になっているのに、販売のメドが立たず放置されているとの話も聞きます。何とか上手に青森県産ヒバを売る方法はないでしょうか。劇的ビフォーアフター青森県産ヒバを使う匠は現れませんかね〜。

*1:100歳を超えた世界最高齢の現役プロスキーヤー

*2:世界最高齢の70歳でエベレスト登頂に成功した。

*3:ヒノキ科アスナロ属の木でアスナロとも呼ばれる。北東北の山林に良く見られる。木材はヒノキに似た香りがする。