就職県内ダメなら県外へ

がんばれ青森!

7月29日、日本銀行青森支店が「県内の就職が厳しいのなら県外で就職を」という異例の提言をしている。
河北新報7月30日記事より。

就職県内ダメなら県外へ 日銀青森支店異例の提言
 日銀青森支店は7月29日、特別リポート「青森県内の雇用・所得環境の現状と今後の課題について」を公表した。雇用、所得とも全国に比べて厳しく「県内にこだわって就職できずにフリーターやニート化するより、県外で就職し専門性、技術力を身に付ける方が有利」と、県外就職を勧める異例の提言をした。
 国や県のデータを基に支店で独自に加工した5月時点の雇用者所得によると、2000年を100とした場合、全国の93.4に対し青森は90.2。全国は緩やかながら増加に転じているものの、青森は下げ止まっていない。
 有効求人倍率も6月まで36カ月(3年間)全国最低で、企業側の雇用スタンスは依然として慎重。団塊の世代の大量退社を見越して正社員雇用の動きが出ている都市圏などと比べ、格差が生じているとした。
 一方、今春の新規高卒者の就職率は県外99.6%に対し、県内は89.5%と9割に達せず、東北6県では最も低い水準となっている。
 こうしたことから、リポートは「抜本的には製造業の地道な蓄積や観光・IT産業の振興」が重要な施策としながらも、県内に雇用の場がない現状では県外就職も一つの手で「求職者や家族がそうした問題意識を持つことが重要」と提起した。
 清水紀男支店長は「産業の蓄積が大事だが時間を要する。県外で他流試合をしてきた経済人も多い。(県外就職で)即戦力の人材に育てば、Uターン採用の可能性も広がる」と指摘している。

青森経済は、他県にいては計り知れない程に厳しい状況です。求人記事を見ていても、他県での就職を斡旋(あっせん)するものが目に付きます。少なくとも太平洋ベルト地帯では考えもつかない状況になっています。ここまで厳しいと、若者に様々な職業の存在を示して啓発する活動は空しく感じます。
私見では青森県の若者の就業意識は決して低くはないのですが、あまりに求人の質が低すぎて就職に結びついていないように思います。この認識に立ってしまうと、県外でキャリアアップを図った方が生産的だとは思いますが、人的資本の流出に拍車をかけてしまいます。青森県にとっては、大変頭の痛い問題でしょう。