豊かさの測り方

日本経済新聞2005年9月8日の記事より「豊かさ測る「人間開発指数」、日本11位に後退

 【ジュネーブ=市村孝二巳】国連開発計画(UNDP)が7日発表した2005年の人間開発報告によると、各国国民の経済、健康、教育の水準を総合した「人間開発指数」で日本は昨年の9位から11位に後退した。
 人間開発指数は、1人当たり国内総生産(GDP)、平均寿命、識字率と就学率に基づいて各国の豊かさを測る指標。各国のデータを比較するため03年時点の統計を使った結果、日本は昨年の指数より0.005ポイント高い0.943に上昇したが、スイスとアイルランドは3つの分野がそろって改善し、相対的に日本の順位が低下した。
 同時に集計している、女性の社会進出度を示す「性別権限指数」でも日本の順位が昨年の38位から43位に低下。女性国会議員の割合が9.9%から9.3%に低下したのが響いた。

早速、国連開発計画(UNDP;United Nations Development Programme)の2005 Human Develpoment Reportでデータを確認。人間開発指数(HDI; Human Develpoment Index)で日本は世界第11位。ベスト10はノルウェーアイスランド、オーストラリア、ルクセンブルグ、カナダ、スウェーデンアイルランド、ベルギー、アメリカ。先進国の人間開発指数は事実上一人当たりGDPでほぼ決まっている。日本の一人当たりGDPは27,967ドルでノルウェーより1万ドルも低い。
人口減少社会を迎える日本は国別GDPで現在世界第2位であるが、いずれ中国やインドなどの人口の多い国に追い越される。今後日本が目指すべきは、一人当たりGDPなど「一人当たり」の指標で世界最上位となることであろう。
スイス、ルクセンブルグ、北欧諸国など、「一人当たり」の指標の最上位国をモデルとして、日本が進むべき道を探る必要があるのではないか。まずは教育を立て直し、すべての産業においてさらなる高付加価値を生む工夫を考えていく必要があるようだ。