センター試験のリスニング

センター試験のリスニング試験には根本的な問題点が存在するようだ。それは、ICプレイヤーなどに問題があったと受験生に申告された場合に、検証の方法がないことだ。つまり、何度も問題を聞きたいがために、わざと故障したと申告して再試験を受けられる可能性があることだ。
共同通信Yahoo!ニュース)2006年1月22日記事の「性善説に立っている」 センター部長、謝罪なし

 大学入試センター試験のリスニングでトラブルが相次いだ21日夜、東京都目黒区の入試センターで記者会見した松浦功事業部長は「(トラブルがあったと)手を挙げた受験生は、すべて再テストにすることを決めていた。性善説に立っている」と語った。
 センターに対する批判をかわすように、身ぶり手ぶりを交えながら「性善説」を繰り返す松浦部長。「不備があったのは残念だ」としながらも「再テストで手当てし無事終えた」と強調、謝罪の言葉はなかった。
 「試行テストでは、これほどの割合でトラブルは起きなかった。こんな数は想定していなかった」と、次々に寄せられた不具合の報告に驚いた様子も。「試験前の確認時に問題がなかったのに、なぜ試験途中で動かなくなったのか」と首をひねった。

いくら性善説でも、機械を用いる限り故障のリスクはゼロにはならない。機械の故障については、入試センターに責任をただ押し付けるだけでは解決しないと思う。故障への対応に、どこまで公平とされる手続きが設計されるのか、今後も議論が必要だろう。ただし、先に述べたように、悪意のある受験生が現れた時の想定は甘い。
そもそも、ここまで大げさな仕掛けを用いてまで、リスニング能力を測る必要があるのだろうか。