浅虫水族館前の彫刻

浅虫水族館前の彫刻

浅虫水族館の前には木製の彫刻が飾られているのだが、何となく忘れ去られている気がするので記事にしてみよう。以前ネット上の情報から、この作品について次の情報を得ていた。(現在情報源は閉鎖。)
作品名:ただよう
製作者:小高一民(埼玉県)
製作年:2000年6月30日
材 質:青森ヒバ(大間産)
浅虫では時々彫刻シンポジウムを開いていて、その第1回シンポジウムでの作品である。残念ながら、この彫刻シンポジウムは休止しているようだ。なかなか理解が得られにくいイベントであろう。主催者の忸怩(じくじ)たる思いが何となく分かる。

うねるように空に伸びる木が、ゴッホの「星月夜-糸杉と村-」を思わせる。ゴッホの糸杉は心の葛藤を映すように暗い印象を与えるが、浅虫の彫刻には躍動感がある。完成直後はヒバ特有の(ヒノキのような)赤味を帯びた新鮮な木目を備えていて、もっと明るい雰囲気の中で海に漂うような軽快さがあった(小高氏のページで作品が確認できる)。しかし今では、青森の厳しい風雪を何年も越えて灰色になってしまった。冬には雪に埋もれてしまい、誰からも見向きをされない可哀想な彫刻になっている。

参考にまで、東奥日報2000年5月29日夕刊記事の浅虫で彫刻シンポジウムより

 「第一回彫刻シンポジウムin浅虫」が六月一日から三十日までの一カ月間、青森市浅虫海浜公園で開かれる。県内外の六人の彫刻家が同所に滞在し、県産のヒバ巨木を使って作品を野外制作するほか、彫刻家と市民の交流を目的としたシンポジウム、彫刻を体験できるワークショップなどが開かれる。
 シンポジウムは青森観光協会浅虫支部を主管とする実行委員会が主催。鈴木正治さん(青森市)石岡豊美さん(同)向井勝實さん(大間町出身、栃木県那須町)村上九十九さん(茨城県牛久市)萩野弘一さん(新潟県笹神村)小高一民さん(埼玉県栗橋町)の六人の彫刻家が参加する。

下世話な話ですが、このページを見れば分かるように、小高先生の作品はなかなか高値です。