野菜の廃棄処分

生産調整 (C)東奥日報

もったいないことではあるが需給調整のため、日本各地で野菜の廃棄処分が行われている。青森県もその例外ではない。
東奥日報2006年11月28日記事の東北町で大根の廃棄処分始まるより

 国の緊急需給調整事業による県産大根の廃棄処分が二十八日、とうほく天間農協管内の東北町と六ケ所村で始まった。県産大根の廃棄処分は、両町村のほかに下田町農協管内のおいらせ町でも行われることになっており、三十日までに五百二十五トンが処分される見通し。
 今年の秋冬大根は全国的な豊作と需要の低迷で価格が急落。全農県本部によると、県産大根は前年比で半値以下の一キロ当たり四十円前後で推移し、生産者の採算が取れない状態が続いている。
 需給調整を実施した生産者には一キロ当たり二十七円の交付金が支払われるが、生産コストを計算するともうけなどはほとんどないという。

白菜や大根の需給調整(廃棄処分)が行われる理由として、今年は台風などの被害が少なかったことと、比較的暖かい日が続いて鍋物需要が伸びないことが挙げられる。
白菜、大根、キャベツは国の需給調整野菜に指定されていて、需給調整の際には交付金が支払われている。
交付金を用いた人為的な価格調整は生産者への所得移転をもたらすが、社会的厚生は完全競争の時よりも低下するとされる。経済的にやむをえないとはいえ、野菜を廃棄しなければならない光景は何度見てもツライ。