弘前・長勝寺
禅林街(禅林三十三ヶ寺)の最奥にあるのが、津軽家累代の菩提寺である長勝寺。立派な三門(国重文)を構えているところを見ても、別格の寺であることが分かる。
高さ16.2mの三門は、弘前2代藩主津軽信枚(のぶひら)が1629年に建立したものである。岩木山神社の楼門(1628年建立)とほぼ同時期の建築。
三門を入って右手にある鐘楼には、「嘉元四年(1306年)」の銘が入った「嘉元鐘(かげんしょう、国重文)」がある。今から700年も前に作られた鐘が、何事もなかったように吊るされているのは何とも不思議。
三門を入って左にある蒼龍窟(旧禅堂)の中には、きらびやかな「三尊仏及びその厨子堂(県重宝)」がある。
庫裏(くり、国重文)の入口につるされた「魚板(魚鼓)」は、禅寺によく見られるもの。魚板とはその名の通り魚の形をした板で、木魚の原型になった。叩き鳴らすことで人を集める合図とする。魚の形をしているのは、魚は日夜を問わず目を閉じないことから、修行に精進することの象徴とされたため(出典)。