弘前・「中みそ」チャイナドール

青森県弘前市には「中みそ(なかみそ)」の愛称で知られる味噌ラーメンが存在する。弘前市民から愛されてやまない味噌ラーメンだ。正式には「チャイナドール」という店の「味噌ラーメン」。
「中三(なかさん)百貨店」弘前店のグルメコートにある「味噌ラーメン」なので、「中みそ」と呼ばれている。グルメコートと聞いて笑うかもしれないが、侮るなかれ。極めて味わい深い味噌ラーメンなのである。
青森グルメ情報に精通している「まるごと青森」のなおきさんが、渾身の三部作()をしたためるほど、深く長い歴史を持つラーメンである。「津軽料理遺産」プロジェクトを進めるtakapuさんもこちらの記事で熱く語っている。思わず語りたくなるラーメンなのだろう。
通常のフードコートのお店と同様に、注文を済ませると番号札が渡される。後は番号を呼ばれるのを待つだけ。

「味噌ラーメン」(504円)。トレイに載せて自分のテーブルまでラーメンを運ぶ。運んでいる途中から、味噌とニンニクの香りが鼻をくすぐり、否応なく食欲が掻き立てられてしまう。目と鼻の先にあるテーブルが遠く感じる程だ。
無事席に着くと、はやる気持ちを押さえ今一度ラーメンを眺めてみる・・・。シャキッと炒められたキャベツとモヤシ、コクと旨みを加える豚肉が、てんこ盛りになっている。あまりに具が多いので、なかなか麺にまでたどり着かない。
甘い味噌の味わいに、フワリとニンニクのアクセント。野菜の旨み、豚肉の旨み、そして味噌の旨み。次元の異なる旨みが渾然一体となる見事なスープだ。その一体化に一役買うのが微妙に加えられた砂糖だというから面白い。いつまでも飲んでいたくなる危険なスープだ。


麺は味噌ラーメンらしく黄色く太い麺。食べ応えのある麺は、味わい深いスープにとてもよく合う。安くて美味しい「中みそ」。物価高騰の昨今にあって、1杯たったの504円とは驚きだ。一度食べれば、多くの人々に愛される理由がよく分かる。
 
チャイナドール
青森県弘前市土手町49-1 弘前中三B1
0172-34-3131
10:00〜19:30(土〜20:00)
定休日なし