青森県の労働市場を考える

先日(9月2日)、弘前大学雇用政策研究センター主催のフォーラム「青森県労働市場を考える」に参加してみました。数々の報告のうち、青森銀行総合企画部の高山氏の報告に興味深いものがありました。ポイントを箇条書きすると、

  1. 雇用回復の動きが全国と比べて遅い
  2. 産業構造的に建設業の比率が高く、製造業が低い
  3. 若年者の失業率が高い
  4. 正社員以外のパート・アルバイトの人が増えている

というものですが、第1点は東北、北海道などいくつかの地域で見られる現象であり、第3、4点は全国的に見られる傾向です。
特に興味深かったのは、「勤労に対する意識」(NHK放送文化研究所、1996年)に関する調査。「働くことはつらいことだ」と考える人の割合で、青森県は全国で一番高い29.7%の人が「つらい」と考えているという結果でした。以下、石川、岩手、宮城と続きます。雇用環境が青森県と同様に厳しい沖縄県では13.4%であったため、勤労意識に関して問題があるかもしれないとの指摘がなされていました。
この結果を見て、少し前に教科書の誤記で有名になった「雪国はつらいよ条例」事件を思い出しました。これは「雪国はつらつ条例」を書き間違えたものですが、実際に雪国で生活することは大変であり、少なからず結果に影響しているでしょう。季節労働者として慣れない環境で働くことも、労働に対する印象を悪くしていると考えられます。
さらに言えば、青森県の求人の質の低さが「つらい仕事」として認識されている可能性があります。求人情報を見ていても、最低賃金に近い待遇であったり、清掃員、営業(外回り)、テレフォンアポインターなど、あまり人が好まない仕事が多いように思います。
勤労意識の低さはある程度労働者本人の問題であるとしても、青森県労働市場の現状を端的に示す興味深い数字だと思いました。
Joblog あおもり