ITではなくICT?

ネコミュニケーション

IT(情報技術)――もはやすっかり定着した感のある言葉ですよね。森首相が「アイテー」と呼んでいた頃に広まったように記憶しています。ところがこの言葉は日本とアメリカでしか使わないと言うのです。
平成17年版情報通信白書総務省)の冒頭付近より

インターネットや携帯電話等の情報通信技術を表す英語としては「IT」と「ICT」があり、現在の我が国では「IT」の語が広く普及しているが、国際的には、欧州や中南米、アジアの各国及び国連をはじめとする各種国際機関において「ICT」の語が広く定着している。
総務省としては、これから実現を目指すユビキタスネット社会では、豊かなコミュニケーションが実現するという点が最も重要な概念であることを踏まえ、情報通信におけるコミュニケーションの重要性をより一層明確化するため、本文においては原則として「ICT」の語を使用している。
(太字は引用者)

ITと言う言葉に慣れている人間には、この情報通信白書は苦痛です。ICTと書かれるとピンと来ないんですよね。「国民のICT利用」よりも「国民のIT利用」の方が分かりやすいような。
コミュニケーションの重要性は理解しますが、せっかく定着している言葉を放棄していては、情報通信白書自身の情報発信力(コミュニケーションの一種)が損なわれるのでは。言い過ぎですかね。
一つ分かったことは、日本が「グローバルスタンダード(世界標準)」と言った時に「アメリカンスタンダード(アメリカ標準)」を指している可能性が再認識できたこと。確かに日本はアメリカの影響を受け過ぎているかもしれません。しかも無意識のうちに。
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm