国勢調査

2005年10月1日、国勢調査が全国一斉に行われたが、様々な問題点も浮かび上がったようだ。国勢調査は年金などの社会保障制度を設計する上でも重要となるため、時代に即した運営を模索する必要があるだろう。
毎日新聞2005年10月2日記事の国勢調査:調査員が悲鳴 市民団体設置の苦情電話に相談より。

 1日実施の国勢調査で、苦情などを受け付けるため市民団体が設置した電話に、自治体から調査票の配布や回収を委託された調査員からの相談が相氓「でいる。「部屋にいるのに出てきてくれない」「調査を拒否された」など住民の協力が得られないことへの不満がほとんどだ。調査員からの相談は前回(00年)まではほとんどなく、個人情報保護法施行やプライバシー意識の高まりなどによる調査環境の悪化を裏付ける「珍現象」と言えそうだ。【臺宏士】
 ◇「居留守」「調査拒否多い」…
 相談を受け付けているのは「国勢調査の見直しを求める会」。東京では9月25〜30日に約300件、大阪では同26〜30日に約150件の相談があり、調査員を名乗るものは2割を占めた。「明らかに部屋にいるのが分かるのに呼び鈴に応じない。どうしたらいいのか」「受け持ち区域の世帯を全部回りきれない」「プライバシー保護を理由に調査を拒む人が多い」などの内容が目立つという。
 同会によると、前回は東京と大阪で計1881件の相談が寄せられた。調査員とのトラブルや、調査への疑問を呈する住民からの相談が大部分で、調査員からは全体の1%程度だった。
 5年ごとに実施される国勢調査だが、今回初めて住民が調査票を封印して提出できるよう封筒を用意したり、記入方法を示したパンフレットに統計法に基づく記入義務があることを明記するなど、個人情報保護法の施行やプライバシー意識の高まりなどに配慮した工夫が施された。
 見直しを求める会共同代表の白石孝さんは「調査員からの電話は、これまでは『調査に反対するのか』といった私たちの活動への批判が多かったが、今回は悲鳴に近い。現在の調査方法では、調査員を確保するのも難しくなるのではないか。抜本的な見直しが必要だ」と話している。(中略)
総務省統計局の話 調査の実施後に自治体などから状況の報告を受けることになっている。対応に苦慮しているという報告が多ければ、次回以降の検討課題としたい。

個人的な話であるが、私の家には調査票が配布されなかったので、市役所に問い合わせる必要があった。申し出がなければデータが欠損することになるが、このようなケースは案外多いのかもしれない。上記のニュースのような話もあり、国勢調査の精度には少々疑念を感じている。
国勢調査では、調査票の交付を自分で市役所に取りに行ったり、直接提出することは許可されていない。調査票の回答を郵送することも不可となっている。調査員が直接訪問する方式以外を一切認めない現行の方法には限界があるように感じた。

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/kouhou/index.htm