あおもり犬

あおもり犬

先日(10月30日)、青森県立美術館が竣工(しゅんこう)した。竣工直後の建物は美術展示に不向きなので、一定期間を置いた2006年7月に開館する。青森県を代表する芸術家の一人である奈良美智(なら・よしとも)さんを招いて記念イベントも開かれた。
東奥日報2005年10月30日記事の「あおもり犬」像を公開 奈良美智さんより

目がつり上がった子どもの絵などで世界的に知られる青森県弘前市出身の美術家奈良美智さんが高さ約8.5メートルある犬の上半身のモニュメントを制作、2006年7月開館予定の青森県立美術館青森市)で30日、公開された。
犬は奈良さんがよく用いる題材で「あおもり犬(けん)」と命名。奈良さんは「半分が地球に埋まっている方がさらに下に埋まっているものを予感できると思い、半身にした」と話した。
美術館は縄文時代最大級の集落跡として知られる三内丸山遺跡の隣にあり、同県出身の棟方志功の版画なども展示される予定。

青森県だから「あおもり犬」。何という遊び心でしょう。おとなしく下を向いているのに、異常にでかいという不思議なギャップも楽しいですね。
奈良美智さんと言えば、可愛いようで可愛くない、可愛くないようで可愛い子供の絵です。記事中にあるように「目がつり上がった」という表現もできそうだ。ある展覧会で見て印象に残っているのは、子供が血の付いた包丁を持っている絵です。子供というのは元々無邪気で可愛い存在であるはずなのに、残酷を象徴するような血と包丁と一緒に描かれているのは何とも辛いことです。少年犯罪を連想させる作品に、社会に対する批判が込められているのでしょうか。
奈良さんの作品には可愛らしい子供や犬の絵もたくさんあって、心を和ませる作品も数多いです。最近ではブックカバーに採用されることも多いですね。

参考:http://www.pref.aomori.jp/museum/main.html