提言・食の王国日本一を目指して

青森の正直・決め手くん

2007年の門出に当たり、青森県を活性化する提言を一つ行ってみたい。それは、真剣に「食の王国日本一」を目指してほしいということだ。
青森県は「知られざる」食材王国である。青森県のりんごの収穫量は全国収穫量の半分以上を占めている。知名度も全国区と地元民は誇りに思っているかもしれないが、残念ながら知名度は関東地方までと考えたほうが良い。
にんにく、ながいも、ごぼうの収穫量は堂々の全国1位。特に青森産にんにくは味も香りも良く、プロの料理人の信頼を十分に集めている。イカ類の漁獲量は日本一、ホタテとシジミの漁獲量は全国2位で、漁業でも食材王国なのである。しかし、これらの事実も十分に知られているとは言い難い。
青森県を「食の王国にする」ためにすべきことを思いつくままに挙げてみよう。
第1に、青森県ブランドを確立すること。「青森県産品」は品質は素晴らしいが、知名度が低すぎる。最近始まった「青森の正直」ブランドを早く全国区で行うべきである。全国区のグルメ番組も多いのだから、青森県産品を積極的に使用してもらえるように売り込みをかけてもいいだろう。とにかく売るための知恵を絞ろう。
第2に、青森県発の情報発信を強化すること。参考になると思われるのが、例えば三重県にある「伊賀の里モクモク手づくりファーム」。生産物(ハム、地ビール、野菜など)の評判が口コミで広がり、今では非常に信頼されたブランドとなっている。昨今注目されている「食育」を単なるブームで終わらせず、生活の基本に組み込むよう「提言」すべきだろう。東京に青森のアンテナショップがあるようだが、更なる機能強化を求めたい。
第3に、料理人を育成すること。青森県は食材王国であるが、食材を生かすことのできる料理人の数は十分とは言えない。青森に来た観光客を喜ばせるためにも、青森の食をもっと充実させても良いのではないか。そして、青森県民自身が青森県産の食材の可能性に気付くこと。青森市内には食べ放題のレストランを多く見かけるが、「青森県産品」にこだわった食べ放題のレストランを企画しても面白い。実は先に紹介したモクモクファームは、名古屋市内のデパートに食べ放題のレストランを出店し、連日満員御礼状態なのである。
最後にこれが一番大事なことなのだが、青森県民が自県に自信を持つこと! 正直言って、卑屈な側面すら感じることもある。経済指標的には厳しくても、空気がきれいで水が美味しくて天然温泉が多くて・・・実際にはなかなか豊かな暮らしをしているのである。もっと他県に自慢しましょう。