青森のアイヌ語地名2

岩木山

青森のアイヌ語地名に続く第2弾。「東北・アイヌ語地名の研究」山田秀三)による仮説を簡単に紹介しよう。北海道にはモイワという地名が多く見られ、その多くがポツンと目立った小山になっている。アイヌ語でモ(小さな)・イワ(山、神聖な山)という意味だという。
このモイワが青森、秋田に来るとモヤという形に変わる。青森市南部には「雲谷(もや)」という地名があるが、アイヌ語由来で「小さな山」を意味するそうだ。モヤヒルズで有名な雲谷(もや)は確かに小高い山になっている。霧でモヤモヤしているからモヤだと思っていたが、アイヌ語から読み解くと興味深い。
青森県で最も高い山、岩木山(いわきさん)の名もアイヌ語由来という。イ・イワキ(神の住まれる処)がイワキに変化した。このイワキのイワは先に紹介したイワと同じで、山、神聖な山という意味が込められている。岩木山は確かに神聖な山という感じがする。
東北道の黒石ICから弘前市に向かって国道を走っていると、目の前に岩木山が大きくそびえ立つ。雪を残す岩木山は「津軽富士」の名にふさわしい神々しさを誇る。写真は道の駅いなかだて(弥生の里)から見た岩木山(2007年3月19日撮影)。

東北・アイヌ語地名の研究

東北・アイヌ語地名の研究