旬菜料理 苧麻（からむし）

爽やかな青空の下、海風に揺れる「苧麻（からむし）」の暖簾をくぐる。こちらは青森の四季を味わうことのできる日本料理店である。
入口より細い通路に入ると右手がカウンター席、奥には階段があり座敷席となっている。カウンター席は掘りごたつのようになっているので一見カウンターに見えないが、足を伸ばして食事することができる嬉しい工夫である。
今回は食べログの「冬眠前のクマさん」のレビューと同じメニューで、レビューしてみたい。お昼のメニューのうち、2,100円のコースを注文する。

まずは「雲丹・茄子・長芋の寒天寄せ」。透き通る寒天が涼しげな冷製の前菜は、夏らしい演出である。言うまでもなく、雲丹と長芋は青森の特産品。さり気なく「青森流の自己紹介」をされている気分である。雲丹の滑らかな味わいと長芋の優しい粘りとともに頂く茄子の爽やかな食感は、次なる料理を期待させる。

続いては「地物の八寸」。小料理が重箱に美しく盛り付けられている。「カスベ」という魚（エイの一種）を使ったゼリー寄せ（一番奥）、魚卵を使った卵焼き、タコの煮付けなどなど、どれも丁寧に作られていて味わい深い。
刺身は「真鯛と真そいの造り」。あっさりとした真鯛とややこってりとした真そいの組み合わせ。新鮮な刺身で大変美味しかった。添えられた食用菊はさり気なく青森の特産品である。

「鯛のあら炊き」は、鯛の旨みが隠されたアラを豪快に頂く。あっさりした部分とこってりした部分があって、複雑な味わいを楽しむことができた。香の物では、長芋を赤シソで漬けたものが特に美味しかった。
他には、ご飯と味噌汁、最後に小さなデザートを頂いた。この料理で2,100円ならば十分納得のいくコースではないだろうか。
「冬眠前のクマさん」も言っているように、「お品書き」を付けるか、料理のもう少し丁寧な説明があると、一層料理が楽しめたかもしれない。そうはいっても、素晴らしい料理店が青森にもあって嬉しく思う。
　
旬菜料理　苧麻（からむし）
青森市安方2-2-15
017-735-3822
11:30〜14:00　17:00〜21:00
日曜・祝日休