名古屋・あつた蓬莱軒本店(蓬莱陣屋)

名古屋熱田・旧東海道道しるべ

名古屋グルメの代表は何と言っても「ひつまぶし」でしょう。「ひつまぶし」の名店、あつた蓬莱軒の本店(「蓬莱陣屋」)を訪ねてきました。
熱田神宮の南、伝馬(てんま)町交差点から南に歩くと狭い路地(旧東海道)が現れます。この道を西に向かって歩くと、お地蔵様を祭ったほこらのあるT字路に出ます。この分岐の角には1790年建立の道しるべが昔のまま残っています。T字路を左に進み歩道橋を渡ると、あつた蓬莱軒の本店(蓬莱陣屋)に到着です。

立派な日本庭園を横目に見ながら、打ち水をした石畳を進んで店に入ります。早めに出かけたので、待ち時間なしで案内して頂きました。案内された部屋は落ち着いた雰囲気です。
「ひつまぶし」(2,520円)と「ビール中ビン」(735円)を注文しました。鰻が焼き上がるまでビールを飲んでしばし待っていると、「ひつまぶし」が運ばれてきました。大き目のお櫃(ひつ)を開けると、細かく刻まれた鰻が程よく焦げたタレの香りを漂わせます。

メニューに書かれた「ひつまぶし」の食べ方に従って、まずお櫃のご飯を十字に切って4つに分けます。1膳目はそのまま食べます。鰻は炭火で嫌な脂が落ちていて、カリッとした皮がとても香ばしい。タレは甘さと辛さが絶妙で、奥ゆかしいまろみがあります。鰻とタレとの相性は、えも言われぬ美味しさです。
2膳目は薬味(ネギ・わさび・海苔)を入れて食べます。ネギは小口ネギでご飯と鰻によく絡みます。わさびと鰻の相性も素晴らしく、海苔の風味と味わう鰻はまさに絶品です。それぞれの特徴を持つ薬味をすべて混ぜれば、さらに新境地。
3膳目は薬味と出汁(カツオ出汁)をかけて「うな茶漬け」にして食べます。タレと鰻の脂が出汁と溶け合って、美味しさのベースが定まります。ここにネギ、わさび、海苔の風味が何重にも重なり合うと、これこそ「ひつまぶし」の真骨頂。熱々のお出汁でホッと一息です。最後の4膳目は好きな方法で食べます。私はさらに細かく刻んで、もう一度1〜3膳目を再現しました。
ただ一言、旨い。もうそれ以上の言葉は必要ないですね。名古屋グルメの王にふさわしい絶品です。
 
あつた蓬莱軒本店 蓬莱陣屋
名古屋市熱田区神戸ごうど町503
052-671-8686
月曜休(祝日は除く)
11:30〜14:00(LO)
16:30〜20:30(LO)