四季の千成

四季の千成

青森市新町商店街にある「四季の千成(せんなり)」は創業75年の老舗飲食店。店内は明るくて、庶民的な雰囲気が大きな魅力。真っ赤な看板と暖簾(のれん)には「し留粉」(しるこ)と書かれている。文字通りの看板商品の「おしるこ」から、「栗田舎しるこ」(450円)を注文しました。なお、入口に「食券売り場」と書いてありますが、食後の精算となっています。(昔は食券制だったようです。)

寒さすら感じるようになった今日この頃では、温かいおしるこはジワリと沁みます。こだわりの小豆から作られた餡子を使っていて、まったりとした甘さが懐かしくも美味しいです。焦げ色も美しく焼かれた小さなお餅が2つ、大きくて甘い栗の甘露煮が1つが入っていて、何とも嬉しい。おしるこの甘みとお餅の柔らかさは、和のスイーツの原点です。箸休めの壷漬けが素朴な味わいで良いですね。
こちらのお店では割り箸を廃して、漆塗りの箸を繰り返し使っています。不思議なもので箸が変わると食事の雰囲気も変わってきます。まるで自宅で食事をしているようで、落ち着いた気持ちになれます。
「四季の千成」は老舗にもかかわらず、深夜の営業にも力を入れています。さしずめ「夜の千成」と呼びたくなるほど、深夜の「千成」は日中とは客層も雰囲気も変わります(メニュー内容も変わります)。飲んだ後の「〆のラーメン」を求めるお客さんも多いようです。

「細麺の中華そば」(600円)は、鰹、煮干、昆布だしを豚骨スープで割った淡い琥珀色のスープのラーメン。スープを少し飲んでみると、昆布の旨みと甘みがガツンとやってきます。
「胡椒をいっぱいふりかけてね」とミル付きのペッパー(ブラック、ホワイト)が添えられます。試しにガリガリとミルを回してペッパーを振りかけて、再度スープを飲んでみると、これまた別世界の美味しさが広がります。絶対に胡椒は入れるべきです(ちなみに、私は普段ラーメンに胡椒はほとんど入れません)。
ご自慢の細麺がスープと良く絡んで美味しい。津軽ポークから作られたチャーシューは味が良く染みています。甘めのメンマ、香り高い瀬戸内産の海苔もとても良く合っています。大満足のうちにあっという間に完食。これは病みつきになりそうな一品です。
昼も夜も楽しい老舗の「千成」でした。
 


お食事処 四季の千成

青森市新町2-5-3
017-722-4750
第2・3土曜休
10:00〜20:00
21:00〜翌2:00 (1:30LO)