九州国立博物館

今回の福岡訪問で素晴らしかったのが、九州国立博物館。1897年の京都国立博物館以来108年ぶりの「国立博物館」として、2005年10月16日に開館。

太宰府天満宮の敷地内から連絡通路を通って、博物館に行くことができます。古代の太宰府と現代の博物館をつなぐ通路は、さながらタイムトンネルのようです。トンネルを抜けると、その威容たる建築に誰もが圧倒されることでしょう。
建築だけではなく、展示も素晴らしいです。平常展(いわゆる常設展)を「文化交流展示」と呼び、日本文化の形成を「アジア史的観点」から捉えることを基本理念として、旧石器時代から近世末期(開国)までの日本の文化の形成について展示しています。縄文を語る上で青森は極めて重要で、青森県つがる市出土の土偶も展示されていました。
福岡に来ればすぐ分かることですが、九州はアジア諸国が本当に近い。 歴史的にも地理的にもそして現在も、アジア文化との交流の重要な窓口となっています。この役割を九州国立博物館は十分に果たしており、韓国や中国をはじめとする海外からの観光客も多数訪れていました。

企画展の「本願寺展」も素晴らしく、国宝や重要文化財も多く展示されて見ごたえ十分でした。親鸞筆の「国宝 観無量寿経註」は経の本文の余白に隙間なく注釈が加えられており、仏教が説く真理への信念が伝わります。「国宝 本願寺本三十六人家集」の雅な美しさには、時間を忘れて見入ってしまいます。

九州国立博物館
福岡県太宰府市石坂4-7-2
050-5542-8600 (NTTハローダイヤル)