平川(尾上)・盛美園

盛美園

青森県平川市尾上(おのえ・旧尾上町)は、知る人ぞ知る造園の町。まるごと青森さんの「尾上やきそば〜味助〜」にある「生け垣と蔵の町 そしてやきそばの町 尾上(平川市)」という言葉通り、町を走ればあちこちに美しい生け垣を見ることができます。
尾上の造園文化を支えるのは、国指定名勝の「盛美園」。堀清戸さんの国指定名勝 盛美園: 津軽便りという記事を拝見し、一目で気に入ってしまいました。年内の開園期間は11月15日まで。冬季閉園される前に、急いで訪問してきました。
「盛美園」の庭園は、鎌倉時代から続く名門・清藤家の24代清藤盛美(もりよし) が造営したもの。1911年(明治44年)完成。作庭にあたっては、東京、京都、四国まで足を運び、伝統的な庭園と建築を研究。1902年(明治35年)に武学流の小幡亭樹を招き、9年の歳月を費やして造られました。

庭園内には、和洋折衷様式の建物「盛美館」が美しく建っています。清藤家25代の清藤辨吉(べんきち)が依頼し、建築家西谷市助によって1907年(明治40年)に建てられたもの。まもなく冬季閉園を迎えるということで、「盛美館」の1階屋根部分が雪の重みで壊れないように、下支えを準備していました。

和風と洋風という全く異なる様式が上下に重なる珍しい建築。1階は純和風の数奇屋造りで、2階はルネッサンス調を漂わせ、ドーム屋根と尖塔が美しいです。

庭園を正面から見ると、真ん中に美しく刈り込まれた植木が配置され、周りを紅葉した木々が囲みます。

昨日の記録的豪雨の影響もあり、庭園内は落ち葉が沢山散っていました。

中央の築山はなだらかな曲線を描きます。刈り込まれた色とりどりの植木が美しいですね。