白熱電球が消える?!
おなじみの白熱電球が今消えようとしています。経済産業省が2012年までに家庭用白熱電球を廃止する方針を打ち出しました。白熱電球は消費電力が大きく、地球温暖化防止の観点からも廃止の機運が世界的に高まっているのです。(ちなみに、白熱電球は価格が最も上昇していない商品の代表格で、明治時代から見ても100倍程しか上昇していません。)
日本経済新聞朝刊記事(2008/04/08)の「経産省、白熱電球廃止の方針、電球型蛍光灯シフト加速――東芝・松下電産、投資検討」より
照明器具メーカー各社は家庭用白熱電球から電球型蛍光灯への生産シフトを加速する。経済産業省が二〇一二年までに家庭用白熱電球を廃止する方針を打ち出したため。代替製品として有力な電球型蛍光灯は消費電力が少なく長寿命だが、価格が高く普及率は五〇%にとどまっている。各社は電球型蛍光灯の製造原価を引き下げ、買い替え需要を促す考えだ。
甘利経産相は先週末に北海道洞爺湖町で開かれた「地球温暖化問題に関する懇談会」で二〇一二年までに家庭用の白熱電球を廃止し電球型蛍光灯への切り替えを促す方針を表明。七日には同省の北畑隆生事務次官も同様の考えを示した。
二〇〇七年の国内住宅照明市場は九百二十一億円で、白熱電球の割合は約一五%。年々、電球型蛍光灯へのシフトが進んでいるが、地球温暖化防止に向け白熱電球の使用規制の動きが相次いでいる米欧に比べると普及は遅れている。しかし今後は日本でも欧州並みに普及が進むとみて、メーカー各社は電球型蛍光灯への生産シフトを急ぐ。
東芝は二〇〇六年に白熱電球を製造する国内二工場で計五ラインから三ラインに縮小。〇七年には約二十一億円を投じ国内と中国・福建省で電球型蛍光灯を増産した。
照明ランプ分野で東芝と国内首位を争う松下電器産業は、インドネシアで電球型蛍光灯の全量を生産している。今後は需要に合わせて増産投資を検討する見通しだ。
松下電工は寿命が白熱電球の八倍となる発光ダイオード(LED)照明を販売しており、白熱電球からの買い替え需要を狙っている。
電球型蛍光灯一個の店頭価格は白熱電球の七―八倍するが、消費電力は五分の一以下で、製品寿命も数倍長い。
日経エコロミー記事(2008/03/15)の白熱電球追放、米議会に機運・地球温暖化でより
米国で発明王エジソンが生みの親の「白熱電球」に逆風が吹き始めた。電機大手フィリップスや米上下両院議員は14日、10年かけて蛍光灯などに切り替えを促す方針を発表。州レベルでも規制する動きが浮上している。白熱電球はエネルギーの大半が熱に変わり、効率の悪さから地球温暖化対策の標的になっているためだ。
フィリップスと民主党上院のプライヤー、共和党下院のマンズーロ両議員は白熱電球を蛍光灯やハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)を使った効率の良い照明への切り替えを急ぐべきだと表明。両議員は環境団体などと組み、法制化も検討している。
マンズーロ氏らによると、全米の企業や消費者が電気を大量消費する電球を使わなくなれば、年間で180億ドル(約2兆1000億円)の電気代の減少につながり、原発30基分の電力も浮くという。カリフォルニアやニュージャージーの州議会では電球の販売禁止や州施設での利用禁止を盛り込んだ法案が出ている。
白熱電球がここまで悪者扱いされているとは気付きませんでした。あまりに原始的でエネルギー効率が悪いのであれば、廃止もやむ得ないと思います。それにしても、電球が姿を消すというのは21世紀らしい話題ですね。