「値上がっている」は誤用?

先日気が付いたこと。「価格が上昇している」という意味で「値上がっている」と書こうとした。ねあがっている…変換…寝上がっている。あれ? 寝上がっている? 「値上がっている」という言い方ってしませんか。
広辞苑を引いてみたところ、「値上がる」という動詞は掲載されていない。次の名詞はある。

ねあがり【値上り】
物の値段や料金が高くなること。物価騰貴。「食品の―」⇔値下り

「ねあがり」という名詞しか掲載されていない。「値上がっている」というのは誤用で、「値上がりしている」が正しいようだ。ただし、経済を専門的に扱う者の間では、普通に「値上がっている」という言葉を使っているように思う。気のせいか。
こういう時には、検索サイトで「多数決」をしてみよう♪
「値上がっている」:Yahoo! 2,190件、Google 1,020件
「値上がりしている」:Yahoo! 137,000件、Google 55,000件
圧倒的に「値上がりしている」の勝ち!
こうなりゃ、ついでに
「値下がっている」:Yahoo! 386件、Google 427件
「値下がりしている」:Yahoo! 81,600件、Google 30,200件
これからは、「値上がり(値下がり)している」と言うようにします。たぶん。
 
あれ? よく見ると、送り仮名が違う。「値上がり」じゃないの? 再び多数決。
「値上がり」:Yahoo! 2,710,000件、Google 1,270,000件
「値上り」:Yahoo! 160,000件、Google 66,800件
圧倒的に「値上がり」の勝ち!
ついでに、
「値下がり」:Yahoo! 2,010,000件、Google 880,000件
「値下り」:Yahoo! 83,900件、Google 35,100件
やはり、「値上がり」「値下がり」という言い方のほうがポピュラーですよね。広辞苑よ、この書き方も追加しなさい。

「値上がり」の方が「値下がり」よりも大きいヒット数となった。皆さん上昇志向ですね。それとも、市場が価格上昇傾向(インフレ傾向)にあることの現れであろうか。

意図せずして、経済に関連する日常用語からいろいろ学ぶことができた。いやぁ、奥が深い。
ちなみに、検索サイトを使って文例を集めるというのは、英文を作成している時に単語の使用方法に不安になった場合によく使われる裏技です。研究社の「英和活用大辞典」が最も便利ですけど、新しい言葉などではwebの方が早いですからね。