青森県の年齢別男女比

2005年10月1日現在で行われた国勢調査のデータを用いて、青森県の男女比について年齢別に紹介したい。
一般に新生児は男子の方が若干多い。女子100人に対して男子はおよそ105人生まれるといわれる。これは自然の摂理によるもので、男子の方が抵抗力が弱く生存率がわずかに低いためといわれている。以下において「男女比」を「女子100に対する男子の割合」で定義する。ちなみに、一人っ子政策を進める中国では、新生児の男女比が116.9もあり社会問題になっている(出典)。

青森県の特徴を探るため、全国平均の値と比較する。上の図は横軸に年齢、縦軸に青森県と全国平均の男女比を取ったものである。17歳以下であれば、青森県の男女比はほぼ全国平均と同様の動きを示す。上の図にはないが、時々全国平均と著しいズレを見せる年齢があり、4歳、7歳、10歳、14歳では明らかに女子の方が多い。2005年10月1日現在なので、それぞれおよそ2000〜01年、1997〜98年、1994〜95年、1990〜91年生まれである。
青森県の男女比で最初に興味深い動きを見せるのが18歳で、突然女子の比率が高まる。18〜19歳では男女比は101となり、全国平均の106と大きな差を見せる。18〜23歳で明らかに女子が多い点を見ると、相対的に男子が大学等への進学に伴って移動するためと考えられる。
24歳から30歳までは概ね全国平均と同じ動きを示すことから、この年齢層では青森県への回帰があるようだ。データから見ると、青森県の20代は「地元志向」が強いのかもしれない。青森県にとっては明るい話だ。なぜか29歳(1974〜75年生まれ)だけ女子が多く、女子100に対して男子97.8である。
興味深いのは、31歳以上で急激に女子が増えるという現象である。年齢が増えるごとに女子の割合が高くなり、34歳以上では男女比は96台に落ち込む。多額の資金を必要とする30代になると、男は青森県を離れ都市部に働きに出るという生活スタイルが見られるようだ。青森県の雇用環境は厳しいという現状が見て取れる。
都市部では相対的に男子が多く結婚難の原因とされるが、青森県に関しては相対的に女子が多いことで結婚難の原因になる可能性もある。晩婚化に関して、他の要因が大きいことは承知しているが、基本的理由として人口要因がある。
全国のデータによるものであるが、生涯未婚率(50歳時点で未婚である人の割合)は男子の急上昇が目立っており、2000年で12.57%となっている(女子は5.82%)(出典)。
以下雑談。青森県に初めて来た時に、青森県は女性が多いという印象と女性が明るいという印象を受けた。偏見により青森の女性は暗いのではと思っていたが、とんでもない。「津軽の女」は明るくて素敵な方が多いのだ。