弘前・旬彩料理 うしやま


弘前市の城東地区にある「旬彩料理 うしやま」を訪問しました。ジャズが流れるモダンな空間で、創作系の和風料理を頂くことができます。
見た目は鮮やか、味わいも素晴らしい会席料理が中心となります。彩りと味わいの水準は、大鰐温泉の高級旅館「南津軽 錦水」当ブログ記事)を彷彿とさせるもので、大変レベルの高い料理でした。

比較的最近に開店されたお店なので、店内はとても美しく高級感が漂います。入口を入ると、バーのような雰囲気も漂わせるカウンター席、奥に進むとモダンなテーブル席、落ち着いた座敷席となっています。テーブル席はガラス製の広いテーブルに、黒くてシックな椅子が用意されています。ガラス張りの開放的な窓からは、小さくまとめられた日本庭園を眺めることができます。
夜の食事は会席料理のコースになっていて、3,800円から6,800円のコースが用意されています。季節限定のコースメニューも用意されています。今回は一番価格の低い会席料理コース「涼み」(3,800円)を注文しました。こちらのコースは食前酒、先付、前菜、造り、炊合せ、焼物、揚物、酢物、食事、水菓子から構成されています。
どの料理も丁寧に作られていて本当に素晴らしいです。記事が長くなりますので、その一部をご紹介したいと思います。

スタイリッシュなフォルムの食器で颯爽と現れた前菜。右端のグラスが夏らしく涼しげです。お出汁の効いたつゆで頂く「海そうめん」はモズクの一種でしょうか。薄く切ったライムの酸味が絶妙な味わい。

前菜を詳細に紹介しましょう。左から順に紹介します。
「星おくら黄身巻」は、夏らしさ満点のオクラを黄色鮮やかな黄身で巻いたもの。夏空に輝く星のようなロマンチックな一品。オクラは味噌に付けておいたもので、細かい仕事がなされています。
「赤ほうずきトマト射込み」は、真っ赤なほおずきが輝く太陽のように眩しいです。ポテトサラダをプチトマトで覆ったような料理ですが、サラダには干しブドウか何かで微妙なアクセントがつけてありました。細かい仕事が行き届いています。
「鶏鉄扇木の芽田楽」は一口で食べてしまいましたが、鶏の優しい旨味と木の芽味噌の独特な風味が何とも絶妙な味わいを奏でます。
「帆立貝ビーフ巻」は驚きの美味しさ。青森名産のホタテ貝柱を柔らかくてクセのない牛肉でクルリと巻いてあります。牛肉にはサッとワサビが付けてあり、本当に仕事が細かいと思います。
それにしても盛付けが美しいと思いませんか。葉っぱの葉脈だけを取り出したような葉が前菜の背景になっています。

造り 鱸、真鯵、かつお三色野菜巻
清涼感いっぱいのガラス製の四角い器に、朝顔の形をした食器と夕顔の蔓。まるで夕涼みでもするかのような夏らしさがいっぱいです。美味しい刺身3種に、それぞれに合わせてネギやミョウガなどの野菜が巻いてあります。あまりの盛り付けの美しさに、しばし時を忘れました。日本の夏は美しい・・・。

揚物は、風を受けて広がる帆のような器に盛られて登場。揚げ物のつゆには「胡麻風味だし」が用意されます。
「海老昆布風味揚げ」は、海老の旨味たっぷりの海老しんじょうに、細い昆布を巻きつけて揚げたもの。プリプリした海老とパリパリした昆布の旨みが絶妙です。
「鱚白扇揚げ」は跳ね上げる魚のような形をした真っ白な揚げ物。鱚の旨みが閉じ込められていています。
「小茄子団扇揚げ」は茄子が扇を広げるように揚げられています。揚げナスの独特の旨味が扇状に仕上げることで、口の中で「美味しさの扇」を広げます。
どの料理も細部にまで細かい仕事がなされています。盛付けにも調理法にも常に工夫が加えられています。目で見る楽しみと舌で味わう楽しみ。本当に楽しいひと時を過ごすことができました。
食事も終盤に差し掛かる頃、外から「ねぷた」のお囃子が聞こえてきました。近所の公園から出陣した「ねぷた」が帰ってきたようです。もう「弘前ねぷた」の季節なんですね。 
 
旬彩料理 うしやま
青森県弘前市城東中央3丁目8-5
0172-40-2008
11:30〜14:00
17:30〜22:00
水曜休