鯵ヶ沢・鯨餅食べ比べ

鯵ヶ沢の名産品といえば「鯨餅」。小豆味のういろうのようなお菓子です。「くじらもち」といえば浅虫の久慈良餅が有名ですが、これは鯵ヶ沢から浅虫に伝わったものです。
鯵ヶ沢には2軒の「鯨餅」のお店があり、1軒を挟んで両隣にあります。両店の鯨餅を買って、食べ比べをしてみました。両店とも原材料は、うるち米・もち米の粉、小豆、砂糖とシンプルですが、「元祖」の「青海堂」は生姜を加えています。



(左)「元祖」の「青海堂」の方が色が濃く、味が濃いという印象。生姜がふわりと香ります。
(右)「本舗」の「村上屋」は、色が薄いですが上品な味わいです。あっさりしていて、飽きの来ない味です。
鯵ヶ沢の鯨餅は、京都発祥の菓子が北前船によって伝えられたのがルーツといわれています。

斎藤博之さんの文章によれば、元々の「鯨餅」は、うるち米の上白粉と氷砂糖の粉で作られた白い層と、餡と葛粉で作られた黒い層の2層を持つお菓子だったそうです。黒い皮の下に白く厚い脂肪のある鯨の皮の断面に似ていたため、「鯨餅」と名付けられました。
「鯨餅」は、やがて発祥の京都では作られなくなり、青森の地で、形を変えながらも今に伝えられています。青森では、言葉、風俗習慣、食べ物など様々なものに、古い時代の名残を見ることができます。いろいろな意味で大変興味深いです。
  
青海堂
青森県西津軽郡鯵ヶ沢町本町74-2
0173-72-2865
 
村上屋
青森県西津軽郡鯵ヶ沢町本町72
0173-72-3021