雪の名前

青森市内

太宰治の「津軽」の冒頭には7つの雪が記されている。こな雪、つぶ雪、わた雪、みず雪、かた雪、ざらめ雪、こおり雪。青森に来ると、雪には様々な種類のものがあることが実際に体験できる。
雪の名前は大きく分けると、降っている雪(降雪)と積もっている雪(積雪)に分けられる。文学的な表現も調べてみたので載せておきます。

<降雪>
・こな雪: 風雪時に多く、粉のような雪。パウダースノー。積もらない。
・つぶ雪: 粒のような雪。積もる。
・わた雪: 暖かくて降水量が多いところに降る。綿のようにふわっとした雪。
ぼたん雪: 気温が高い時に雪が集まってぼたんの花のように降る雪。
・たま雪: 冬の初めや終わりの暖かい頃に降る。たまの形。
・はい雪: 普通に降っている雪。灰のようにフワッと舞う。
・もち雪: たま雪やはい雪、わた雪が溶けかかった状態。
・べた雪: もち雪がさらに溶けて降る。団子のような感じ。
・みず雪: べた雪が雨に変化する状態。雨滴に近い。
・みぞれ雪: みぞれ状の溶けかかった雪。

<積雪>
新雪: 積もったばかりの雪のこと。結晶の形が保たれている。
・こしまり雪: 新雪が少ししまったタイプ。降って数日たち、結晶が壊れて粒になっている。
・しまり雪: さらにしまった状態。スコップが立たないくらい固い。
・かた雪: 堅雪。一度解けかかった雪が、夜間の冷えこみで凍りついて堅くなったもの。(季語・春)
・こおり雪: 固まって氷のようになった状態。
・ざらめ雪: 新雪やしまり雪が溶けて水を含んだタイプ。
・しもざらめ雪: しまり雪が冷えて雪の中に霜ができた状態。とても珍しいタイプ。北海道など気温が低い地方でしか見られない。
・こしもざらめ雪: しもざらめ雪の霜が小さいもの。

<文学的表現など>
・あわ雪: 泡雪、沫雪。泡のように解けやすい雪。和菓子にも付けられている。
・あわ雪: 淡雪。やわらかで解けやすい雪。和菓子の名前。
・うす雪: 薄雪。少しばかり積もった雪。
・大雪: 激しく大量に降る雪。
・こごめ雪: 小米雪。細かい雪
小雪: 少しの雪。
・ささめ雪: 細雪。細かに降る雪。谷崎潤一郎の小説の名。
・しずり雪: 垂り雪。木の枝から落ちる雪。
・白雪: しらゆき。雪の美称。
(・人工雪: 人工的に作られた雪。)
・たびら雪: 春近くに降る薄くて大片の雪。だんびら雪。
・どか雪: 一時に大量に降る雪。
・友待つ雪: 次の雪の降るまで消えずに残っている雪。
なごり雪: 名残雪。名残の雪。春になってから冬の名残に降る雪。
・なだれ雪: なだれて落ちる雪。(季語:春)
・にわか雪: にわかに降ってくる雪。
・ぬれ雪: 濡れ雪。水分の多い雪。
・根雪: ねゆき。雪解けの時期までとけずに残る雪。
・はだれ雪(まだら雪): 班雪。はらはらとまばらに降る雪。まだらになった残雪。(季語:春)
(・八朔の雪: 八朔の日に吉原の遊女が全員白無垢を着た風習。)
・初雪: その冬初めて降る雪。(季語:冬)
・春の雪: 春になって降る雪。牡丹雪になることが多い。(季語:春)
・ふすま雪: 衾のように多く積もった雪。
・ふぶき(吹雪、乱吹): 降雪に激しい風を伴ったもの。風雪。暴風雪。(季語:冬) 
・べた雪: 水気の多い雪。
(・蛍の光、窓の雪: 蛍の光や窓の雪の光で本を読んだという故事にちなみ、苦学すること。学問にいそしむこと。蛍雪。)
・万年雪: 山頂などに一年中解けずに残る雪。
・み雪: 深雪。(1) 雪の美称。(2) 深く積もった雪。(季語:冬)
・横雪: 風で横様に降る雪。
・忘れ雪: その冬の最後に降る雪。雪の果て。(季語:冬)
 
<追記>(2012年3月5日)
・雪消し雪: 雪の季節の終わりに降り、残雪とともに消えていく雪。(青森のタクシー運転手談)
 
参考文献、参考ページ:
逆引き広辞苑岩波書店
デジタル大辞泉小学館
http://www.tbs.co.jp/morita/qa_yuki/faq_030108-06.html
http://www.tottori-mlit.go.jp/koge/kids/snow/b.html
http://www.city.tokamachi.niigata.jp/archive/tokamachi/kouhou/yukiguni/right/3toukei/3-5.htm