大型ショッピングセンター認めず

懸案になっていた「かねさ」跡地への大型ショッピングセンター建設許可問題。結局、市は中心市街地活性化への強い意志を示し、建設を許可しなかった。
東奥日報2006年12月19日記事のかねさ跡地の大型SC建設認めずより

 青森市浜田玉川の「かねさ」工場移転後の跡地に、県外の不動産業者が計画していたショッピングモールなどの大規模開発について、青森市が開発を認めない判断を下し、十八日に事業者側に伝えたことが分かった。開発予定地は、同市が全国に先駆けて制定した条例で、大規模集客施設の立地を規制する「特別用途地区」に当たり、同地区の指定を外すよう求めていた事業者側の申し出を取り下げた。
 青森市は改正中心市街地活性化法に基づき、いち早く中心市街地活性化基本計画を策定、国から重点的な財政支援を受けるための準備を進めている。今回の判断で、中心街の再生に密接にかかわる郊外の大規模開発にあらためて「ノー」を示し、条例の趣旨を貫く姿勢を明確にした。
 開発業者は総合不動産開発のサンシティ(本社仙台市)で、食品スーパー、ホームセンターなどで構成する延べ床面積約三万二千平方メートルの複合商業施設を来年十二月にもオープンさせる計画を発表していた。しかし、予定地の都市計画上の用途は、青森市が条例で「特別用途地区」に指定する準工業地域で、一万平方メートルを超える集客施設は原則立地できないことになっている。
 サンシティは開発に向け、予定地を準住居地域に変更、特別用途地区の指定を解除するよう市に求めたが、関係部署で協議した結果、市は申請を受け入れないことを決めた。郊外の大型開発を規制するモデルケースとして、市がどのような判断を下すかは、全国の自治体の注目を集めていた。
 申請を認めなかった理由は(1)交通渋滞の対策など周辺環境への配慮が明確でない(2)施設の詳細について未定の部分が多く、近隣住民の十分な賛同を得ているとは言い難い−ことなど。年明けに市議や有識者らでつくる同市の都市計画審議会に報告し、対応を最終的に確定させる。

最近の青森市内は似たような規模のショッピングセンターがいくつか立ち並び、どれも中途半端な規模に見える。今後もこういう中途半端な大きさの商業施設しか認めないつもりなのだろうか。
今回の意思決定でハッキリしたことは、大型店を出店しようとする業者が青森市を敬遠するようになるということだ。そして、周辺の都市が青森市と同様の条例を可決しないのであれば、周辺の都市に大規模商業施設が建設されることになるだろう。具体的には、五所川原市弘前市に大型店が続々と出店されるだろう。
青森市のことだけを考えて意思決定すると、却って意図と異なる結果になるかもしれない。弘前市の動向などを注視して意思決定しないと、青森市に商業の空洞化が起こると思います。新幹線の新青森駅の位置が少しだけ弘前市に近付いたことを重く受け取るべきだと思うのですが。