青森・長尾中華そばの朝ラー


「あっさり」(手打麺)

青森ラーメン業界をリードする「長尾中華そば」。「津軽煮干しラーメンを全国へ!」を合言葉に、「津軽ラーメン」の普及活動にも力を入れています。明日(2012年3月28日)からは4月3日まで、岡山タカシマヤで開催される「青森県の物産と観光展」に出展されます。
「長尾中華そば」の最も新しい支店である青森駅前店に、「朝ラー」をしに行きました。「朝ラー」とは朝からラーメンを食べることで、福島県喜多方市静岡県藤枝市で見られる食習慣。青森市内では「くどうらーめん」が朝8時から営業していますが、「長尾中華そば」では朝7時からラーメンを食べることができます。

入店すると、「いらっしゃい」の声よりも先に、煮干しの香ばしい匂いが出迎えてくれます。興味深いのは、それが「長尾中華そば」らしい匂いであるということ。ヒラコ、ウルメ、カタクチ、シロクチの4種類の煮干しを使っているとのことですが、漂う匂いから既に独特なブレンドになっています。

こちらのお店では、スープだけでも6種類、麺も3種類(スープによっては4種類)から選ぶことができますが、「津軽ラーメン」の基本形とも言える「あっさり」の手打麺を選んでみました。琥珀色の透き通るようなスープに、かんすいをほとんど使わない、真っ白い太い麺。トッピングを除去したら「うどん」でも通じてしまいそうな、「津軽ラーメン」らしい個性的なルックスです。
スープをすすれば、煮干しの旨みとほのかな酸味が舌の上に広がり、煮干しの香りが鼻を抜けていきます。煮干しのガッツリ感や酸味は、お店によってそれぞれに個性がありますが、こちらの「あっさり」は、個性を主張しすぎないのに「個性的」という、何とも絶妙な仕上がりになっています。

麺は、噛めば弾力のある歯触り、すすれば滑らかな喉越し、味わえば小麦の豊かな風味を楽しむことができます。かんすい由来の中華麺特有の香りが少ないので、スープの繊細な味わいを邪魔することもありません。

チャーシューは、モモ肉とバラ肉の2種類が乗っています。ちょっとしょっぱめでハッキリした味わいも、津軽ラーメンらしい仕上がり。歯触りの良いメンマに、程良く散らされた青ネギが、ラーメンらしい広がりを演出します。

箸にも個性がキラリ。竹を使っていて、とても手触りが良いです。特別なルートから調達されたとのこと。ラーメンの細部の細部まで、手を抜かない店主の姿勢には、改めて脱帽です。

朝のライス無料サービスは、青森的モーニングサービス(?) 青森色を強化したい方には、ねぶた漬けが有料オプションとして用意されています。「裏メニュー」がさり気なく壁に掛けてあるところも嬉しいですね。津軽ラーメン初心者から達人まで、幅広い客層のニーズに細かく応えてくれる名店です。
お店のブログによれば、駅前店限定メニュー「津軽そば」が始まるとのことです。
 

長尾中華そば 青森駅前店 (HP) (BLOG)
青森県青森市新町1丁目3-33
017-773-3715
7:00〜15:00
17:00〜20:00
(12月〜2月は7:00〜15:00)
月曜休
(祝日の場合は営業、翌日火曜休み)

メモ・津軽じょんがら節

知っているようで知らない「津軽じょんがら節」。インターネットで集めた情報をメモとして残しておきます。
 
つがる-じょんがらぶし 【津軽じょんがら節】
〔じょんがらは「ちょんがれ」の訛(なま)り〕青森県の民謡で、旧津軽領の芸人たちが舞台で唄ってきたもの。新潟県の「新保広大寺」が瞽女(ごぜ)によって伝えられ、津軽三味線の伴奏とともに発展した。「津軽よされ節」「津軽おはら節」と合わせて津軽三つ物といわれる。(三省堂 大辞林
 
津軽じょんがら節(つがるじょんがらぶし) [ 日本大百科全書小学館) ] .青森県津軽地方の民謡。同地方の坊さま(座頭のこと)とかホイド(本来は祝詞人(ほぎびと)の意が乞食(こじき)の代名詞になる)とよばれる遊芸人たちが、門付(かどづけ)を中心に歌ってきたもので、その源流は、天明(てんめい)初年(1782ころ)新潟県十日町市下組(しもぐみ)新保で生まれた『新保広大寺』である。それが越後(えちご)瞽女(ごぜ)などの手によって長編の「口説(くどき)節」に仕立てられると、諸国の遊芸人の間に広まり、坊さまたちの持ち唄(うた)になっていった。ところが瞽女の掬(すく)い撥(ばち)多用の三味線技法が津軽で異常に発達し始め、加えて門付にはだれにもわかる芸ということから、太棹(ふとざお)でじょうぶな犬皮、一の糸を太く、撥は厚手でたたきまくる大きく激しい技法が発達、明治に梅田豊月(ほうげつ)という名人が出現し、今日の津軽三味線が確立された。しかもちょうど同じころ、浪花(なにわ)節の台頭で『津軽じょんがら節』は『津軽浪花節』としての舞台芸に発展していった。「じょんがら節」という曲名は、関西の「チョンガレ節」(祭文の大衆化したもの)と同種の語り物の意味らしい。 [ 執筆者:竹内 勉 ]
 
津軽じょんがら節』の「じょんがら」とはどういう意味か。(出典)
回 答
諸説あり。主なものは次のとおり。
1.浅瀬石(あせいし)城主・千徳政氏(せんとくまさうじ)を滅ぼした大浦為信がその墓をも暴こうとしたことに神宗寺役僧・常縁が抗議し、浅瀬石川に身を投げた。その地は「常縁河原」、後に「上河原」(じょんがら)と呼ばれた。「じょんがら」は「常縁河原」のなまり。
2.江戸時代、阿呆陀羅経を語り物にして節をつけたものを唄う門付け芸人を「ちょんがれ坊主」といった。その「ちょんがれ坊主」の唄「ちょんがれ節」が各地に広がり、輪島ちょんがり節や津軽じょんがら節となった。「じょんがら」は「ちょんがれ」のなまり。

弘前・杉ッ子食堂のじょんがらラーメン

津軽じょんがら節」と言えば、津軽三味線で演奏される代表的な曲の一つ。「津軽よされ節」「津軽おはら節」と合わせて津軽三つ物と呼ばれ、津軽人の魂と呼ぶべき曲となっています。
津軽三味線と言えば、東津軽郡平内町出身の初代高橋竹山大先生津軽三味線の名を全国に広めた功績は極めて偉大です。

初代高橋竹山大先生の「津軽じょんがら節(三味線じょんから)」
You Tubeで見る
津軽海峡の荒波や風雪を連想させるような情感あふれる世界は、津軽三味線の醍醐味と言えるでしょう。そんな津軽人の魂とも呼べる「じょんがら」の世界を津軽人がラーメンで表現するとこのようになります…

 
じょんがらラーメン in 杉ッ子食堂


野太いエビフライがナント2本!堂々たる貫録! 
ラーメンに入れることなく、ウスターソースやタルタルソースとともに頂いたら、さぞかし美味しいであろうエビフライをあえてラーメンに突っ込む、その精神たるや…これが「じょんがら」なのでしょう…。
ラーメンのスープを吸って、衣がグダグダになったエビフライは、海老天だったら実現したかもしれない一体感を全く見せません。ただ、ラーメンもエビフライ自体もかなり美味しいので、この不協和音を楽しむ逸品と考えたら非常に深いです。

ラーメンのスープは、弘前の食堂で良く見られる煮干ベースで甘みのある味わい。アツアツで供されるので、冷えた体を温めるにはピッタリです。トッピングはエビフライのほか、ホタテ、チャーシュー、わかめ、メンマ、たっぷりの刻みネギ。ホタテはゴロンとしたサイズで、なかなかの食べ応え。ネギとスープの相性も良い感じです。

やや細めのちぢれ麺は、スープをよく絡めてくれます。個人的に細い麺が好きなので、気に入りました。

弘前市郊外にある杉ッ子食堂は、創業約40年、津軽に典型的な雰囲気の食堂。店内はテーブルと小上がりを備え、お昼時になれば農作業中の高齢者が手を休めに訪れます。
「田畑へ出前します」というのが売りで、田んぼや畑であっても配達してくれるということで、今となっては懐かしい「ズームイン朝」(日本テレビ系列)でも放送されたそうです。

じょんがらラーメンや焼肉ラーメンなどの面白メニュー(?)は、お店を新装した時に発案されたメニューとのことでしたが、新装されてから結構な月日が流れていることを看板が示しています。
時代の波に揉まれることなく、昔ながらの雰囲気をそのまま今に伝えるというのは、実はとても貴重なこと。青森の食堂文化がいつまでも愛されることを祈りたいと思います。
 

杉ッ子食堂
青森県弘前市大字高杉字神原108-4
0172-95-2519
11:00〜18:00
不定
 
<参考> ログイン アメンバー|Ameba by CyberAgent [アメブロ]

弘前・もっぱら庵

豪雪の影響で歩道に分厚い雪が残るものの、少しだけ陽気に恵まれた早春の弘前。正直教えたくない名店「もっぱら庵」にて、一足先に春を感じてきました。Sadistic YUKIさんの記事ジャミンさんの記事を拝見して、間違いのないお店と確信しての訪問です。さくらさんテンポさんにご一緒頂きました。
細長い店内は、厨房と向き合うようにカウンター席が並びます(2階に座敷あり)。店主は某料亭旅館の料理長を務められた経歴を持ちながら、お客さんの喜ぶ顔が見たいと、あえて小さな店を開きました。小料理店特有の堅苦しさはなく、店主と娘さんの軽妙なやり取りには心も和みます。
「もっぱら庵 6点」(3000円のおまかせ)でお願いしました。

先付は、細長いお皿に並ぶ繊細な小料理の数々。左から、カマンベールチーズに花麩、締め鯖にキウイ、柚子にイクラ。一見意外な組み合わせに見える食材が、かるたの読み札と取り札のような絶妙なコンビネーション。濃厚なチーズにさっぱりとした花麩。締め鯖の脂にはキウイの酸味。柚子の芳香に包まれるイクラの旨み。色彩の豊かさに見とれること、限りなし。

春の訪れを予感させる食材から、梅肉を乗せたウドにハマグリ。凍る湖を連想させるワカサギを甘露煮に仕上げ、冬の名残も感じさせます。ウドの食感とハマグリの旨みに、ワカサギの甘み。見た目だけでなく、味わいの調和が何とも見事。

春を告げるホタルイカに、雛祭りが近いということで三色卵。遊び心も満載です。

大鰐名産のモヤシを使った和え物も味わい深い。クコの実をさり気なく添えるところが達人の技。

マグロとヒラメのお造り。舌に乗せた瞬間分かる素材の良さ。嫌みのない味わいに思わず笑顔がこぼれます。この一皿にも達人の技が光るのですが、あえて書かないことにします。

クツクツと音を立てて、食欲を掻き立てる鶏鍋。プリンとした鶏肉を頬張れば、ジュワッと旨みを解放します。琥珀色に澄んだスープは、鶏から出る脂が程良く漂って、絶妙な味わいに仕上がっています。店主が秋田で学んだという味わいは、胃に染みわたります。

蒸し焼きにされたタラに、和風ソースを絡めた椎茸をたっぷり添えて。胡椒を効かせたタラに、程好い酸味とまろやかな旨みを湛えるソースが何とも絶妙。赤黄パプリカを忍ばせて、ちょっと洋風テイストな仕上がりが嬉しいサプライズ。

生ガキにスダチ酢橘)。Sadistic YUKIさんがさくらさんの記事でご指摘の通り、スダチの種が丁寧に取ってある所が「もっぱら庵」なのです。

鮭おにぎりを軽く炙ってお茶漬けにして供されます。非常に細かい刻み海苔が繊細な味わいを奏でます。

さくらさんイチオシの「華一風」。豊かな芳香が鼻をくすぐり、キリリと爽やかな飲み口。色彩豊かな料理がグラスにキラキラと万華鏡のように反射します。


料理人の原点は「味」へのこだわり、と店主。精進に精進を重ねて到達した境地が、この小さな店で親しみやすく卓越した料理を提供することだとしたら、達観と言わざるを得ません。店主から最大限のおもてなしを受けるためにも、是非予約されることをお勧めします。
 

お食事処 もっぱら庵
青森県弘前市本町107
0172-38-3887
18:00〜22:00
日曜休

青森・unrico cafe(アンリコ・カフェ)

豪雪に苦しめられた青森にも、ようやく春の訪れの兆し。青森市・大野ニュータウンの一角にある「unrico cafe(アンリコ・カフェ)」を訪問してきました。一応申し上げますが、「アリンコ」ではありませんよ。
エリーさん(2011/10/27)、津軽ジェンヌさん(2011/11/30)、あおさん(2012/02/08)をはじめ、多くの方が記事にされている素敵カフェです。

お店は青森南高校の東側に隣接していますが、住宅街に紛れるような佇まい(たたずまい)。白い脚立が置かれた建物を探してみて下さい。昔を知る方(^人^)スマヌの話によると、昔のこの辺りは田んぼしかなかったそうです。今は新しい家が立ち並ぶ住宅地となっています。
店内はあまり大きくありませんが、席の配置に工夫があり、他のお客さんの目線を気にせず、落ち着いた時間を過ごすことができます。

オリジナルブレンドと期間限定のパウンドケーキを注文してみました。木目の美しいテーブルに、温かみのある木製のトレイがよく似合います。

チョコとナッツとドライフルーツのパウンドケーキ(期間限定)
しっとりしたチョコレートの味わいに、ナッツの食感とドライフルーツの甘みが絶妙なアクセント。添えられた生クリームとラズベリーが色彩的にも美しいですね。絡めて頂くと至福の時が訪れますよ。

オリジナルブレンド
注文がある度に、挽きたて、淹れたてのコーヒーを提供して頂けます。苦みも酸味も嫌味がなく、味わい深い一杯でした。豊富に取り揃えられたハーブティーも、お店のご自慢だと思います。ゆっくりのんびりと時間を過ごして、心身ともにリラックスしましょう。
青森南高校のグランドや木々が、お店の大きな窓から見えて、借景となっています。雪が残る中、夕日に照らされた木々が影絵のようでした。

 

unrico cafe (アンリコ・カフェ)
青森県青森市西大野3-11-10
017-752-1837
11:00〜19:00
(土は24:00まで)
月曜休

青森・長尾中華そば 喜多方ラーメン(限定)

長尾中華そば 2012年3月3・4日限定商品。


これは旨すぎました。
ご案内下さったさくらさんには感謝申し上げます。
 
ラーメンの後は、A-FACTORYを散策。

テンポさんを発見しました(笑)