老朽化著しい野辺地町役場庁舎

上北郡野辺地町の町役場庁舎の老朽化が著しいです。

1954(昭和29)年12月27日に落成した建物を今でも使用しています。昭和29年当時、鉄筋コンクリート製の建物は非常に珍しかったと思います。往時の野辺地町の繁栄を物語ります。

「上北郡野邊地町役場」。表札の文字が歴史を感じさせます。築55年の建物では、防災上の観点からも非常に心配です。


第2庁舎、第3庁舎に至っては、古ぼけたアパートにしか見えません(申し訳ありませんが)。財政難にあえぐ野辺地町では、財政の健全化を進めており、町役場建設資金の調達もままならないのでしょう。
2005年度の野辺地町の財政状況を見てみましょう。歳入49億6100万円のうち町税は11億9791万円で、町税が歳入に占める割合は24.1%です。
比較のため、2005年度の青森市と上北郡六ヶ所村を見てみます。青森市では、歳入1035億4200万円のうち、市税は342億5400万円で、市税が歳入に占める割合は33.1%。
六ヶ所村では、歳入120億3400万円のうち、村税は78億3800万円で、村税が歳入に占める割合はなんと65.1%!
野辺地町の人口は約1万5千人に対して、六ヶ所村の人口は約1万1千人。人口規模では野辺地町より2割も少ないのに、歳入規模(予算規模)は約2.4倍もあります。原子力関係施設の誘致の結果は、極端な財政規模格差となっています。同じ上北郡でも随分明暗を分けています。
市町村税で足りない分は、地方交付税、国庫支出金、県支出金などで埋め合わせていく訳ですが、行財政改革の一環でこれらの資金もあまり期待できなくなっています。各自治体が完全に自立する必要は全くないと思いますが、国や県に対する極端な依存も許されなくなっています。国と地方の関係は、古くて新しい問題だと改めて感じた次第です。
 
<参考>
青森市
野辺地町
六ヶ所村