八戸・やぶ春

本八戸駅から八戸市中心部の繁華街に向かう途中にある蕎麦屋「やぶ春(八戸やぶ春)」。控えめなたたずまいながら、大変素晴らしい蕎麦が堪能できる名店です。同じ通りの先には、愛してやまない「フルーツパーラーおだわら」が鎮座しており、 八戸グルメのレベルの高さにひれ伏すことになるでしょう。この通りは、文字通り「八戸グルメの王道(ロイヤルロード)」なのです。
通りに掲げられた看板には「ぬ゛」のような文字が使われていますが、これは婦人の「婦」の字を崩した変体仮名「ふ」に濁点を付けたものです。(参考:http://www.toride.com/~yuga/moji/kana.html
砂場、更科と並ぶ江戸蕎麦三大暖簾(のれん)の一つ、藪蕎麦。「かんだやぶそば」を中心として結成された「藪睦会(やぶむつみかい)」に名を連ねるのが、この「やぶ春」なのです。八戸の地で、江戸蕎麦の醍醐味を楽しむことができます。
「せいろ蕎麦」と「芝海老の天茶」がセットになった昼限定メニュー「蕎天茶(きょうてんちゃ)」(1,600円)を注文してみました。


せいろ蕎麦
少し青みがかって艶々と美しい蕎麦。細切りでつゆがしっかり絡みます。キリッと辛めの江戸風のつゆに付けて、ズズッと豪快にすすれば喉越しは心地良く、噛めば蕎麦の風味が口いっぱいに広がります。

芝海老の天茶
天茶のふたを開けるとフワ〜と優しい湯気が漂って、何とも美味しそうな香りが一面に広がります。

一口大に揚げられた海老天は、ほのかに胡麻油が香ります。ギュッと海老の旨みが閉じ込められています。

汁の色は濃い目ながらも、優しく深い味わい。胡麻三つ葉の香りと渾然一体となって鼻を抜けていきます。あまり味わったことがないような、重層的な旨みに思わず唸ります。。。

葛切りのぜんざい
せいろ蕎麦と天茶を食べ終わる頃合いに、そっと供されるぜんざいは、爽やかで優しい甘み。感動の蕎天茶を締めくくるに相応しいサービスでした。

店内には「藪」と書かれた半纏が飾られ、さり気なく江戸の風情を漂わせます。もう何の申し分もない見事な蕎麦屋です。
 

やぶ春 (八戸やぶ春)
0178-43-8612
青森県八戸市内丸3丁目5-8
11:30〜15:00
17:00〜20:00
土日祝11:30〜20:00
月曜休